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[P78-05] 先天性心臓病患者の非心臓手術の手術成績
Keywords:非心臓手術、小児外科疾患、先天性心臓手術
【目的】先天性心臓病をもつ患児は他疾患を合併することも多い。今回当施設における非心臓手術を施行した先天性心臓病児について検討した。【方法】2009年から2015年までに小児心臓手術を施行した677例中、経過中に非心臓手術を施行した42例(6.2%)について検討した。【成績】先天性心臓病の内訳は、PDA12例、TOF9例、単心室7例、VSD6例、CoA complex2例、その他6例。心臓手術後早期死亡は認めず。新生児期外科手術:新生時期に非心臓手術を施行した症例は21例であり、初回手術時年齢中央値は1日(0日-15日)。外科手術の原因は食道閉鎖6例、先天性横隔膜ヘルニア5例、鎖肛3例、十二指腸閉鎖2例、髄膜瘤1例、腸穿孔4例であり、いずれも心臓手術に先行して非心臓手術を施行した。平均観察期間は28.8ヶ月、遠隔期死亡は3例あり、(1)脊髄髄膜瘤、PA/VSD, MAPCAの症例が生後7ヶ月に肝不全のため、(2)食道閉鎖、単心室症、肺動脈バンディング術後の症例が生後5ヶ月に感染症により、(3)食道閉鎖、HLHS、ノーウッド術後の症例が生後8ヶ月に絞扼性イレウス、DICにより失った初回手術を含め非心臓手術の施行回数は平均3回(1-8回)と複数回手術を必要とする症例が大半であった。乳児期外科手術:新生児期を過ぎ、乳児期に手術を施行した症例は11例であり、外科手術の原疾患は腸穿孔3例、鎖肛3例、口唇口蓋裂2例、腸回転異常、気管軟化、胆道閉鎖が各1例。手術、遠隔期死亡なし。幼児期以降に非心臓手術を施行した症例は10例であり、外科手術の原疾患は鼠径ヘルニア3例、胃食道逆流、気管軟化が各2例、腸回転異常、臍ヘルニア、漏斗胸が各1例。手術、遠隔期死亡なし。【結論】最近7年間の心臓手術症例の内6.2%の症例で非心臓手術を必要とした。手術成績は比較的良好であったが、新生時期に外科手術を必要とする症例では心臓、非心臓疾患ともに重症例が多く、今後の経験の蓄積とともに成績の向上が望まれる。