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[P81-04] 二心室修復を施行した大動脈弁閉鎖/心室中隔欠損(AA/VSD)の2症例
キーワード:HLHS、Biventricular repair、Rastelli
【背景】左心低形成症候群(HLHS)に対してはNorwood手術を施行後、単心室修復へと向かうことが一般的であるが、十分な左心室容積が確保されており二心室修復術が可能となる症例もある。今回我々はHLHS variantであるAA/VSDで二心室修復術を施行し得た2症例を経験したので報告する。【症例1】在胎41週2日、体重3620gで出生した女児。出生後の心臓超音波検査(UCG)にてAA, VSD, ASD, PDAと診断され、LVDdは99%であった。生後1日で両側肺動脈絞扼術(bil.PAB)を施行し、生後2ヶ月(体重4.8kg)でNorwood+central shuntを施行。1歳4ヶ月時の心臓カテーテル検査(Cath)でLVEDV 139%、PAI 183であり、1歳5ヶ月時(体重8.4kg)にRastelli手術を施行した。RV/LVは1.0でVSD fenestrationを要したが、術後両側肺動脈狭窄に対する数回の肺動脈バルーン拡張術を行い、術後5年でRV/LV 0.6まで低下し、経過良好である。【症例2】在胎40週、体重3046gで出生した男児。出生直後のUCGでAA, VSD, ASD, PDAと診断され、LVDdは84%であった。生後2日でbil.PABを施行し、生後2ヶ月(体重4.4kg)でNorwood+RV-PA conduitを施行。1歳4ヶ月時のCathにてLVEDV 125%、PAI 125であり、1歳6ヶ月時(体重10.8kg)にRastelli手術を施行した。RV/LVは0.95でVSD fenestrationを要し、現在Cath待機中である。【まとめ】HLHS variantでも十分な左室容積がある症例では二心室修復が可能となることもあるが、PAIや肺動脈圧なども考慮して治療戦略を慎重に検討する必要がある。