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[P81-05] 漏斗胸を合併した修正大血管転位症根治術後の完全房室ブロックに対し、Nuss手術とペースメーカー植込みを一期的に施行した一例
キーワード:漏斗胸、完全房室ブロック、修正大血管転位症
【背景】漏斗胸は先天性心疾患と合併し得る疾患であるが、それぞれの外科治療のタイミングと漏斗胸手術の術式に関しては一致した見解が得られていない。【症例】12歳、男児。修正大血管転位症に対しdouble switch手術を2歳時に施行。6歳時に心房頻拍に対しアブレーション施行。その後、III度房室ブロックが顕在化しペースメーカー植込みの予定となった。元来漏斗胸があり、造影CTでは陥没部が深く心房に接しており、今後進行して心臓を圧排し循環に影響を及ぼす可能性があると判断され、同時に胸郭形成術が必要と考えられた。手術はまず、胸骨正中切開にて癒着剥離を行った後、心筋リードを左室心尖部と右房の心外膜に留置し腹部の筋膜上にDDDペースメーカーのジェネレーターを留置した。barとの癒着防止のためゴアテックスシートで心膜閉鎖後、小児外科チームによりbarを2本挿入し反転させることにより胸郭形成を行った。胸骨閉鎖はステンレスワイヤーにて通常どおりに行った。術後は硬膜外麻酔による疼痛コントロールを要したが、経過は良好で術14日目で退院した。ペースメーカーの作動は問題なく、胸骨の離開や動揺もなく経過中である。2年後にbarの抜去予定となっている。【考察】Nuss法は肋骨を切除することがなく低侵襲であり、現在漏斗胸手術の主流となっている術式である。胸骨正中切開が必要な心臓手術との一期的な手術においても良好な成績が近年報告されてきている。【結語】漏斗胸を合併した修正大血管転位症根治術後の完全房室ブロックに対し、胸骨正中切開によるペースメーカー植込みとナス法による胸郭形成術を一期的に施行し良好な結果を得た。