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[PAL-02[III-S09-06]] Fontan術後患者の幼児期における発達評価
【対象】2013年7月から2015年12月に発達検査を行ったFontan術後患者の幼児47例。【方法】3-4歳児(30例)に対して新版K式発達検査(K式)を行い、5-6歳児(22例)に対してWISC-4知能検査(WISC)を行った(重複症例あり)。K式では姿勢運動、認知適応、言語社会、全領域の発達指数を評価し、WISCでは言語理解、知覚推理、ワーキングメモリー、処理速度の指標と全検査IQを評価した。またK式の全領域発達指数、WISCの全検査IQに対して寄与する因子を重回帰分析を用いて検討した。検討項目は(1)胎児診断の有無、(2)低出生体重児、(3)介入を要した高肺血流状態の有無、(4)初回on-pump手術時日齢、(5)手術回数、(6)Glenn手術到達月齢、(7)Fontan手術到達月齢、(8)動脈血酸素飽和度、(9)中心静脈圧、(10)BNPの12項目とした(8,9,10はFontan手術後1年の評価カテーテル時の値を採用)。なお、それぞれの指数は70未満を遅滞、70以上85未満を境界、85以上を正常と定義した。【結果】3-4歳K式では正常、境界、遅滞のパーセンテージが各々姿勢運動(40,20,40)、認知適応(30,50,20)、言語社会(37,23,40)、全領域(30,43,27)であった。同様に5-6歳WISCでは言語理解(82,18,0)、知覚推理(68,32,0)、ワーキングメモリー(77,23,0)、処理速度(77,23,0)全検査IQ(64,36,0)であった。5-6歳WISCの全検査IQ の成績はは3-4歳K式の全領域発達指数結果と比較し良好であった(p<0.01)。3-4歳K式の全領域発達指数に寄与する因子は非低出生体重児(p<0.01)、少ない手術回数(p=0.03)であり、5-6歳WISCの全検査IQに寄与する因子は抽出されなかった。【結語】Fontan術後患者の発達は3-4歳に比し5-6歳のほうが良好であり、幼児早期で発達の遅れが見られる患児も就学前にはキャッチアップする可能性が示唆された。また、非低出生体重児、手術回数が少ないことは発達予後に良好な影響を与える。