15:10 〜 17:40
[SEV-08] 外科卒業後教育ビデオセッション
ファロー四徴症の外科治療(新生児から成人まで)
ファロー四徴症遠隔期の肺動脈弁閉鎖不全により右室拡大、低心拍出量、高CVP、肝障害などがおこり重症化すると多臓器の不全に至るため外科的介入が必要となる。
肺動脈弁置換は難易度の高い手技ではないが以下の注意点が必要である。1:前回手術の詳細確認、2:安全な再開胸(術前CTによる大血管、右心室と胸骨との関係の精査、状況に応じて大腿動静脈の露出)3:脱血の良い無血視野、VSDリークを想定して大動脈遮断、心停止下の手術が望ましい。左室ベントの挿入。4:人工弁を自然な方向に(後方に向けて)移植することと周りの構造物(Valsalva洞、LMT, LAD)への圧迫、損傷に注意すること。縫合中の生体弁を損傷の予防などである。術後は両心不全、不整脈、1−2週後にも胸水貯留や抗凝固に伴うタンポナーデ、不整脈に留意する。
肺動脈弁置換の典型的な例を供覧する。
症例は56歳男性、1968年にファロー四徴症に対し心内修復術を某病院にて受けているが詳細は不明である。心臓カテーテル検査、心エコーおよびMRIでは大動脈の騎乗はあり、VSDリークは無し、肺動脈弁閉鎖不全により著明に右室は拡大RVEDVI=197 ml/m2。菲薄化した右室全面が胸骨に癒着していた。
再開胸後剥離を進めると心膜は全面で欠損。型通り人工心肺を上行大動脈、上下大静脈にカニュレーション行ったが、この際前回のカニュレーション跡は見られず前回手術は単純低体温法であったと推測された。心停止後内部を観察するとVSDは数針のマットレス縫合にてなんらかのパッチで閉鎖されていた。径弁輪心膜パッチの下には変形した自己弁が存在。肺動脈は十分に太いので24mmの生体弁を遠位肺動脈にはめ込むように連続縫合で縫着。右室はほ自己組織で閉鎖、縫縮した。
肺動脈弁置換は難易度の高い手技ではないが以下の注意点が必要である。1:前回手術の詳細確認、2:安全な再開胸(術前CTによる大血管、右心室と胸骨との関係の精査、状況に応じて大腿動静脈の露出)3:脱血の良い無血視野、VSDリークを想定して大動脈遮断、心停止下の手術が望ましい。左室ベントの挿入。4:人工弁を自然な方向に(後方に向けて)移植することと周りの構造物(Valsalva洞、LMT, LAD)への圧迫、損傷に注意すること。縫合中の生体弁を損傷の予防などである。術後は両心不全、不整脈、1−2週後にも胸水貯留や抗凝固に伴うタンポナーデ、不整脈に留意する。
肺動脈弁置換の典型的な例を供覧する。
症例は56歳男性、1968年にファロー四徴症に対し心内修復術を某病院にて受けているが詳細は不明である。心臓カテーテル検査、心エコーおよびMRIでは大動脈の騎乗はあり、VSDリークは無し、肺動脈弁閉鎖不全により著明に右室は拡大RVEDVI=197 ml/m2。菲薄化した右室全面が胸骨に癒着していた。
再開胸後剥離を進めると心膜は全面で欠損。型通り人工心肺を上行大動脈、上下大静脈にカニュレーション行ったが、この際前回のカニュレーション跡は見られず前回手術は単純低体温法であったと推測された。心停止後内部を観察するとVSDは数針のマットレス縫合にてなんらかのパッチで閉鎖されていた。径弁輪心膜パッチの下には変形した自己弁が存在。肺動脈は十分に太いので24mmの生体弁を遠位肺動脈にはめ込むように連続縫合で縫着。右室はほ自己組織で閉鎖、縫縮した。