13:00 〜 13:45
[SL02-01] 「生きている」を見つめるライフステージ医療—— 生命誌の視点から ——
生命誌は、人間は38億年の歴史をもつ地球上で多種多様な生きものの一つであるという視点で「よく生きる」ことを考える知です。具体的にはゲノムを切り口に、生きものとはなにか、ヒトとは何かを知り、その中での「人間としての私」を考えていきます。生きものは生れ、育ち、老い、死ぬという時間の中で考える対象です。現代社会を支えている「機械論的世界論」では生きものも機械のように捉えその構造と機能を知り、医療もそれを癒すことを重視しています。
ここで、生きものは機械ではないというあたりまえのことを踏まえた「生命論的世界観」の中で考えるために、人間の一生を乳児期、幼児期、学童期、青年期、壮年期、老年期(前期・後期)に区分したライフステージという見方をもちます。そして、どのステージも充分に生きること、先のステージのための準備をすること、他のステージとの関係に円滑に進むようにすることを大切にする社会にしたいと思います。私たちはこのような生きものとしての一生を送る間に、必ず患者として医療に接することになります。
そこで、医療も上に述べたライフステージを思いきり生きることを支える「ライフステージ医療」であって欲しいと願います。
医学の進歩を支え、基礎となっている生命科学は、生命体で起きているメカニズムの解明を大きく進めましたが、人間が「生きている」という実感につながるところが欠けているように思い、もう一度人間は生きものであるというあたりまえのことを基本に置き、時間と関係を重視する「生命誌」の立場から医療を考えてみたいと思います。
ここで、生きものは機械ではないというあたりまえのことを踏まえた「生命論的世界観」の中で考えるために、人間の一生を乳児期、幼児期、学童期、青年期、壮年期、老年期(前期・後期)に区分したライフステージという見方をもちます。そして、どのステージも充分に生きること、先のステージのための準備をすること、他のステージとの関係に円滑に進むようにすることを大切にする社会にしたいと思います。私たちはこのような生きものとしての一生を送る間に、必ず患者として医療に接することになります。
そこで、医療も上に述べたライフステージを思いきり生きることを支える「ライフステージ医療」であって欲しいと願います。
医学の進歩を支え、基礎となっている生命科学は、生命体で起きているメカニズムの解明を大きく進めましたが、人間が「生きている」という実感につながるところが欠けているように思い、もう一度人間は生きものであるというあたりまえのことを基本に置き、時間と関係を重視する「生命誌」の立場から医療を考えてみたいと思います。