The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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要望演題

画像診断の進歩

要望演題2(YB02)
画像診断の進歩

Wed. Jul 6, 2016 4:10 PM - 5:10 PM 第D会場 (オーロラ イースト)

座長:
早渕 康信(徳島大学大学院医療薬学研究部 小児科学)
片山 博視(大阪医科大学附属病院 小児科)

YB02-01~YB02-06

4:10 PM - 5:10 PM

[YB02-06] 光干渉断層像(Optical Coherence Tomography:OCT)を用いた肺血管病変の観察

本間 友佳子, 早渕 康信, 小野 朱美, 香美 祥二 (徳島大学大学院医歯薬学研究部 小児科)

Keywords:Optical Coherence Tomography、肺動脈、肺高血圧症

【背景】肺高血圧症の重症度や病状評価には通常、血液検査、血行動態、薬剤反応性試験などが主な指標として用いられる。病理学的診断による重症度判定は望ましいものの困難で、診療上の利用は少ない。光干渉断層像(OCT)は近赤外線を用いて血管内超音波像(IVUS)に比し約10倍(10~20μm)の高解像度で組織を描出でき、従来の診断装置では描出し得なかった血管壁の微細構造観察が可能である。【目的】OCTを用いた肺動脈壁画像を検討し、肺循環動態と比較・検討する。【方法】先天性心疾患症例・肺高血圧症症例など60例(年齢 0~27歳, 平均肺動脈圧 9~58mmHg)を対象とした。心臓カテーテル検査時に血管径2.0~5.5mmの肺動脈をOCTで観察した。【結果】全症例において肺動脈壁は明瞭に観察された。21例(35%)において内・中・外膜が区別されて観察される部位を認めたが、これらを1層として認める症例が多かった。観察された肺動脈壁厚は、0.10~0.49mmであった。肺動脈壁厚は、肺動脈平均圧とr=0.37(p<0.01)の正相関を認めた。Pulmonary artery capacitance indexとは、r=-0.36(p<0.05)の相関を認めた。【考察】OCTで観察可能な血管径の病変が肺高血圧の一次的な病変か二次的な変化のいずれかは不明であるが、肺高血圧の進行に従って肺動脈の弾性動脈レベルでも肥厚することが知られており、同部位の伸展性評価は予後予測に有用であると報告されている。肺血管壁画像における3層に観察される部位と1層に観察される部位の病理学的相違、測定部位の検討など課題とするべき点はあるが、OCT画像評価は肺循環動態を反映しているものと考えた。【結語】OCTによる画像所見は肺血管リモデリングを反映していると考えられた。重症度評価や治療効果などに臨床的有用性が期待される。