The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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要望演題

川崎病

要望演題4(YB04)
川崎病

Thu. Jul 7, 2016 9:00 AM - 10:20 AM 第B会場 (天空 センター)

座長:
鈴木 啓之(和歌山県立医科大学 小児科)
深澤 隆治(日本医科大学付属病院 小児科)

YB04-01~YB04-08

9:00 AM - 10:20 AM

[YB04-07] IVIGとアンギオテンシン受容体拮抗薬の併用はM2マクロファージを誘導する~マウス腹腔内マクロファージを用いた検討~

菅沼 栄介 (埼玉県立小児医療センター 感染免疫科)

Keywords:冠動脈炎、マクロファージ極性、アンギオテンシン受容体拮抗薬

背景:近年我々はIVIGとアンギオテンシン受容体拮抗薬(以下ARB)との併用が、活性化マクロファージの浸潤を著明に抑制しマウス冠動脈炎を改善する事を報告した。病態形成の中心的役割を担うマクロファージには、M1(炎症性)とM2(抗炎症性)の2つの極性を持つことが知られているが、川崎病の冠動脈病変との関連性は不明な点が多い。目的:IVIGとARBのマクロファージ極性に与える影響をin-vitro実験系を用いて明らかにすること。方法:8週齢の雄のC57BL/6Jマウスに、4%Thioglycollateを腹腔内注射し72時間後にマクロファージを採取し、3×106cell/wellを培養する。さらに無添加群、LCWE(5μg)群、さらにLCWE+IVIG(5mg)群、LCWE+losartan(10μM)群、LCWE+IVIG(5mg)+losartan(10μM)を各々37℃で24時間共刺激した後に、回収した細胞からRNAを抽出し、M1マーカーであるinterleukin-6 (IL-6)とM2マーカーであるmannose receptor, C type1 (MrC1)の発現量をリアルタイムPCRで定量解析した。結果:LCWE刺激により、IL-6(1677%)発現量は有意に増加したが、MrC1の上昇は軽度であった(138%)。IL-6mRNAは、LCWE添加と比較してIVIG添加により51%、losartan添加により43%それぞれ抑制されたが(p<0.05 vs LCWE)、IVIG+losartanによる抑制は軽度であった(20%)。一方、MrC1mRNAはIVIGにより25%低下したが、反対にlosartanにより13.7%増加し、さらにIVIG+losartanにより53%の増加をみた(p<0.05 vs LCWE, LCWE+IVIG)。考察:IVIGの持つM1抑制作用とlosartanの持つM1抑制とM2増強作用を見いだすことができた。結論:IVIG+losartanの併用はマクロファージ極性をM2へと誘導することでより強い炎症抑制効果が期待される。