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[YB05-04] 新生児期カテーテル治療におけるステント治療の重要性ー胎児診断に基づいた治療戦略
キーワード:胎児診断、カテーテル治療、DES
【背景】胎児診断される心疾患の中に最重症例がみられ、いまだ治療成績は不良である。当院では、胎児診断に基づき、出生前から積極的に治療戦略を立て治療に当たっている。新生児期のカテーテル治療の中で、ステントを用いたカテーテル治療の重要性は増している。【目的】新生児期カテーテル治療の治療成績の検討【方法】2014年1月以降に行われた新生児期カテーテル治療23例を後方視検討【結果】胎児診断例は18例(78%)。23例の内訳は、経皮的心房中隔裂開術BAS11例(TGA10, HLHS1このうち1例にRF needle使用)、hybrid術中に心房中隔穿破後stent留置、両側肺動脈絞扼術4例(1例に経皮的大動脈弁バルーン拡大PTAV)、純型肺動脈閉鎖に対し肺動脈弁穿破、経皮的肺動脈弁バルーン拡大術PTPV3例(2例にRF wire使用)、HLHS循環のreverse CoAに対するステント留置2例、新生児期重症肺動脈弁狭窄に対するPTPV2例、hybrid術中にPTAV、両側肺動脈絞扼術1例、無脾症、単心室、総肺静脈還流異常、肺静脈狭窄に対し垂直静脈内ステント留置1例。そのうちステント留置例は計7例(胎児診断例は6例)。心房間にPalmatz1808E 2本、Palmatz Genesis PG1560PMW 2本、他の部位にDrug-eluting stentであるResolusion Integrity 計3本留置。心房間にステント留置後に循環不全を来した類洞交通合併例1例を除き、全例1ヶ月以上ステントのpatencyは保たれており、5例は外科手術を行い、1例待機中である。【考察】胎児診断に基づく入念なシユミレーションにより、急性期を脱することが可能になってきている。特にDESステント留置により新生児期の開心術を回避し得る。手術時期や術式など選択肢が増えることが期待される。【結論】胎児診断により、分娩時期の選択や綿密なシミュレーションが可能となり、特に難治例に対してステント治療は急性期の中心的役割を担う。