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[YB05-05] 最終手術適応外症例に対するカテーテルインターベンションの役割
Keywords:カテーテル治療、姑息手術、在宅医療
【背景】心臓手術成績向上により多くの症例は最終手術へ到達するものの、種々の要因(心肺血管条件、中枢神経障害、多臓器合併症等)からその適応外と判断される例が少なからず存在し、姑息的カテーテルインターベンション(CI)の役割は大きい。【方法】最終手術適応外と判断され姑息的CIを施行した16 例(2006~2015年)の臨床効果を後方視的に検討した。【結果】DORV5例、HLHS(variantを含む)4例、TOF.PA.MAPCA2例、AVSD.TGA.PA、TOF.AVSD、SRV、C-TGA、D-TGA各1例、初回CI施行年齢6.4歳であった。既往手術は肺動脈絞扼(PAB)7例(含大動脈形成1)、体肺シャント6例、TAPVC修復3例、UF3例、Glenn2例、Norwood1例、PVO解除2例であった。適応外理由は(1)肺血管床低形成・肺血管抵抗高値7例、(2)重度発達障害を生じる染色体異常・中枢神経障害9例であった。CIの目的は(1)低酸素血症改善を目的とした、肺動脈狭窄、シャント狭窄に対するBAPが12例(17回)、(2)動脈管依存性疾患における動脈管維持を目的としたステント留置3例、(3)肺出血・喀血コントロールを目的とした血管塞栓術3例(6回)、(4)繰り返す肺静脈狭窄に対するステント1例であった。目的(1)の新生児・乳児期に行ったPABに対するBAPでは有効なSpO2上昇(75%→87%)を得たが、MAPCA症例では病変へのアクセス難や硬化病変のため治療効果は不十分であった。PVステントは数ヶ月単位で再狭窄を繰り返し再拡張を要した。3回以上のCI施行は6例で、各CIの間隔は平均7.4ヶ月であった。治療に関連した主要合併症はなかった。遠隔期死亡は1例であった。【考察】姑息的CIの役割は大きく、低酸素血症の改善・在宅への移行等より良いQOLを得るための有効な手段であった。MAPCA合併例やPV狭窄例では効果は限定される。