10:30 〜 11:10
[YB10-04] Cone手術 術前後のcMRI所見から見えたもの~新生児期を内科的治療で乗りきり、乳児期に外科治療を要したEbstein奇形の1例~
キーワード:Ebstein奇形、心臓MRI、Cone手術
【背景】Ebstein奇形の治療戦略において,右心の順行性成立を予測することが求められる。今回我々は,新生児期に内科的治療で心拡大の改善をみながら生後半年で急速に心拡大しCone手術に至った一例を経験した。術前後にcMRIを加えた観察ができたので報告する。
【症例】Carpentier分類B,機能的PA(後にPS-PG14mmHg),出生時CTR81%,TR3.8m/s,LVDd27.8mmだった。PDA閉鎖とともに順行性がえられ生後1か月でCTR75%と縮小した。しかし6か月で心拡大に転じ,生後7か月でCone手術を行い二心室循環が成立した。Cone術前はCTR85%,HR150(洞調律),SpO2(経鼻2L)75%で右心拡大・左心圧排を認めた。
【結果】術前後で,中隔奇異性運動の著しいLVはEDVi 49.7→73.5ml/m2,EF57.4→58.2%,CI4.28→3.59となった。異常拡大したRVはEDVi 134.7→156.0ml/m2,EF31.9→28.3%,CI6.44→3.71となった。PC法によるQp/Qsは0.28→0.96。TRF 75→5%でエコー上もsever→mildとなった。
【考察】術前の圧排左室が一回拍出量の減少を頻拍で代償している所見をMRIで求めることができた。右房・右房化右室の拡大に加え,流出路が大きく膨らんだ右室の全貌はエコーでは気づきにくくMRIで明確となった。Cone手術によりRVEDVi拡大,RVEF低下するもTRの劇的な改善が効果を示したと思われる。心室容積曲線を描くと収縮様式が把握でき、両心室の正常化を認めた。ここには右房化右室縫縮の効果が表現されている可能性がある。
【結語】cMRIでEbstein奇形の評価しづらい部分を追跡できた。Cone手術におけるTVPと右房化右室縫縮の効果を客観視できる可能性をみた。
【症例】Carpentier分類B,機能的PA(後にPS-PG14mmHg),出生時CTR81%,TR3.8m/s,LVDd27.8mmだった。PDA閉鎖とともに順行性がえられ生後1か月でCTR75%と縮小した。しかし6か月で心拡大に転じ,生後7か月でCone手術を行い二心室循環が成立した。Cone術前はCTR85%,HR150(洞調律),SpO2(経鼻2L)75%で右心拡大・左心圧排を認めた。
【結果】術前後で,中隔奇異性運動の著しいLVはEDVi 49.7→73.5ml/m2,EF57.4→58.2%,CI4.28→3.59となった。異常拡大したRVはEDVi 134.7→156.0ml/m2,EF31.9→28.3%,CI6.44→3.71となった。PC法によるQp/Qsは0.28→0.96。TRF 75→5%でエコー上もsever→mildとなった。
【考察】術前の圧排左室が一回拍出量の減少を頻拍で代償している所見をMRIで求めることができた。右房・右房化右室の拡大に加え,流出路が大きく膨らんだ右室の全貌はエコーでは気づきにくくMRIで明確となった。Cone手術によりRVEDVi拡大,RVEF低下するもTRの劇的な改善が効果を示したと思われる。心室容積曲線を描くと収縮様式が把握でき、両心室の正常化を認めた。ここには右房化右室縫縮の効果が表現されている可能性がある。
【結語】cMRIでEbstein奇形の評価しづらい部分を追跡できた。Cone手術におけるTVPと右房化右室縫縮の効果を客観視できる可能性をみた。