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[YB11-02] 無脾症候群に合併した不整脈治療例についての検討
キーワード:無脾症候群、不整脈、治療
【背景】無脾症候群は心臓構造異常とともに刺激伝導系の異常も伴い、手術侵襲のみならず不整脈で管理が難渋する場合がある。不整脈合併症例においての治療方針については施設により異なり一定した見解はない。【目的】無脾症候群の不整脈治療例における治療方針についての検討【方法】2000年以降に出生した無脾症候群47例を対象とした。周術期の一過性の不整脈を除き、不整脈発生頻度を調査し、治療法と内服薬の中止時期、転帰について後方視的に検討をおこなった。【結果】全例単心室修復の適応であった。不整脈治療を要した症例は12例(26%)であり、転帰は生存8例、死亡4例であった。死亡原因として周術期死亡2例、不整脈1例、詳細不明1例であった。治療を要した不整脈は、上室性頻拍10例、接合部頻拍1例、心室頻拍1例であった。治療開始時期はグレン手術前10例(うち新生児6例)、TCPC手術以降(2-3歳)が2例であった。治療は抗不整脈薬が中心であり、デバイス植え込み2例(ペースメーカー1例 CRT1例)、カテーテルアブレーション(RFCA)1例に施行されていた。不整脈薬内服を中止した症例は4例であり、TCPC前の電気生理検査(EPS)、RFCAで中止2例、TCPC後に中止した症例が2例であり、いずれも再発を認めていない。【考察】乳児期までの不整脈発症例で、内服中止し再発しない自然軽快症例もあり、薬物中止時期の決定、RFCA介入の時期についての判断は難しい。そこで心房アクセスが容易なTCPC前にEPSを行い不整脈の再評価を行うことにより、薬物中止、RFCA等の治療介入の選択が広がり、治療方針を決定するうえで有益と考えている。一方でTCPC後の不整脈発症例もあり、当院では無脾症候群に対してTCPC時にfenestraionを作成する方針でTCPC後の治療介入に際して心房アプローチのアドバンテージを考える。【結論】薬物療法をしている無脾症候群例に対してはグレン後TCPC前にEPSを施行する方針である。