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[I-EOP01-08] 純型肺動脈閉鎖に伴う三尖弁病変に対する外科的介入の検討
Keywords:純型肺動脈閉鎖, 三尖弁, 三尖弁形成
目的 純型肺動脈閉鎖症(PA-IVS)において,三尖弁(TV)病変は右室の成長や根治後の心機能に影響するため適切な介入を要する。当院にて治療介入したPA-IVSの内,TVに介入した症例の中・遠隔期成績を報告する。対象及び方法 1992年~2016年の間に根治に至ったPA-IVS の内,TVに介入した症例は12例であった。三尖弁の病態は狭窄(S群)6例,狭窄兼閉鎖不全(SR群)4例,閉鎖不全(R群)2例であった。生後の三尖弁輪径(TV%)及び右室拡張末期容積(RV%)はそれぞれS群:57(55-97),47(35-72),SR群:60(50-62),31(23-48),R群;132(120-145),135(120-135)。初回姑息手術はS群及びSR群の全例に対し直視下肺動脈弁切開及び体肺動脈短絡術を,R群の2例には直視下肺動脈弁切開のみ施行した。3群においてTVP術後の経過及びカテーテル結果を評価した。結果 TVPは初回姑息時1例,根治時12例に施行。 心内修復はTS群の内2例は1.5心室,その他は2心室(右室流出路形成8例(1弁付きpatch5例,肺動脈弁再切開3例)及びASD部分閉鎖(4例は開窓付き))。三尖弁形態及び術式はS群1尖:1,2尖:5。全例交連切開を施行。SR群2尖:3,3尖:1,交連切開4,乳頭筋切開1,人工腱索2。R群の2例は3尖で共に中隔尖の可動性が不良,それぞれedge to edge,後尖延長+前尖のslide plastyを施行。術後早期死亡なし。中・遠隔期成績:追跡期間は139ヶ月(1-196ヶ月)。遠隔死亡なし。術後TRはtrivial:1(SR群1),mild:7(S群4,SR群3),moderate:4(S群2,R群2)。三尖弁に対する再手術はS群2例(弁形成1,弁置換1),R群1例(弁形成1例)。 遠隔期RV%は96(76-159)と術前と比較し成長,RVEF(%),RVEDP,RAPはそれぞれ50(42-55),9(6-9),9(4-9)であった。結論 当院において,PA-IVS症例に対するTVP後の中・遠隔期成績は概ね良好であった。特にTSに対する弁切開は右室の成長に有効であった。TRに進行には長期的な経過観察が必要である。