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[I-EOP02-02] 感染性心内膜炎の治療効果指標としてのGaシンチグラフィの有用性
キーワード:感染性心内膜炎, Gaシンチグラフィ, 定量化
【背景】67Ga-citrateは炎症巣に集積するトレーサーで、Gaシンチグラフィ(Ga)として感染性心内膜炎(IE)を始めとした炎症診断に使用されている。しかし、その集積機序は明らかにされておらず、IEの治療効果指標としてのGaの有用性も不明である。【目的】先天性心疾患に合併したIE(CHD-IE)の治療評価としてGaの臨床的意義を明確にする事。【対象および方法】2004年から2016年までに当院で治療経過中にGaを施行したCHD-IE 18例の臨床経過、検査所見とGa所見を後方視的に検討した。【結果】発症年齢は、中央値19.0(0-40)歳。起因菌はmethicillin-sensitive Staphylococcus aureusが最も多かった(6/18例)。静注抗菌薬は78(41-296)日間投与されており、抗菌薬投与開始から血液培養陰性まで6(1-26)日間、CRP陰性化までは63(14-160)日間かかっていた。また、抗菌薬開始時に、12/18例がGa陽性であった。抗菌薬中止時は、全例で血液培養とCRPは陰性化していたが、6/18例でGa陽性であった。IE再発は4/18例に認めたが、うち2例が抗菌薬中止時Ga陽性例であった。一方で、抗菌薬中止時Ga陽性4/6例は抗菌薬中止後にGaが陰性化した。また、抗菌薬中止時にGa陰性であった1例にIE再発を認めた。【考察】当院でのCHD-IEでは、抗菌薬中止時にGa陽性例の33%に再燃を認めていた。これらは、血液培養や炎症反応の陰性化などを指標に、適切に抗菌薬が投与されたにも関わらず再燃しており、IEの治療効果指標としてGaの経時的変化は無視できないものと思われる。現在、我々はGa集積部位を定量化し、治療効果判定として使用する試みを行っており、その結果も含めてCHD-IEに対する治療戦略に関して考察する。