18:00 〜 19:00
[I-EOP02-03] Fontan患者での腎血流評価
キーワード:フォンタン手術, 腹部超音波検査, 腎障害
【背景】成人領域の循環器疾患では腎血流ドップラーで評価されるResistance Index(RI)や腎静脈血流(IRVF)のパターンは心不全の進行と関連があるといわれているが、Fontan手術後の成人患者ではその評価は明らかではない。【目的】Fontan患者でのDoppler法を用いた腎血流評価について検討すること。【方法】2016年9月から12月に当科でカテーテル検査のために入院した16歳以上のFontan患者の腹部Dopplerエコー法で評価したRI・IRVFを採血項目・血行動態指標などと比較検討した。【結果】対象は19名(男性9名、女性10名)で平均RIは0.64±0.08であっ。RI<0.7群(6名)とRI>0.7群(13名)で比較すると血行動態や採血項目でいずれの指標も有意差を示すものはなかった。IRVFはcontinuous pattern(CP)とdiscontinuous pattern(DCP)を呈し、CPは8名、DCPは11名であった。平均中心静脈圧(CP: 12.6±2.5mmHg; DCP: 12.1±2.5mmHg)・心係数(CP: 2.2±0.5l/min/m2; DCP: 2.2±0.5l/min/m2)・肺血管抵抗(CP:1.6±0.7unit/m2; DCP:1.5±0.6unit/m2)はCP群とDCP群に有意差はなく、推定糸球体濾過量で有意差がみられた(CP:101.6±31.3ml/mim/1.73m2; DCP: 90.5±3.7 ml/mim/1.73m2; p<0.05)。【結論】Fontan手術後の成人患者ではRIよりもIRVFのほうが腎障害の程度の指標となる可能性がある。