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[I-EOP02-05] ファロー四徴症の体肺血流短絡術は肺動脈弁を成長させるか
キーワード:TOF, MBTS, pulmonary valve
【背景】ファロー四徴症(TOF:tetralogy of Fallot)では、右室流出路狭窄により減少した肺血流を改善するために体肺血流短絡手術(MBTS:modified Blalock-Taussig shunt)を行うが、MBTS後に肺動脈弁が成長することが報告されている。【目的】TOF、MBTS後にPVの成長に与える因子として、肺動脈弁下形態の影響ついて検討する。【対象】期間:2002年5月-2017年1月にMBTSを施行後に心内修復術(ICR:intracardiac repair)を施行したMBTS群27人(shunt日齢 94±134日、ICR日齢559±235、男11人)とpalliationを要さずにICRを施行したnon-MBTS群21人(ICR日齢552±207、男10人)。【方法】MBTS術前と術後(ICR前)で経胸壁心エコー(2DE)を実施し、肺動脈弁輪径、subpulmonary conus lengthを計測。超音波装置はPhilips社製iE33を使用し、2DEで長軸をtiltし右室流出路が見えたviewで撮像した。まずMBTS群とnon-MBTS群で初回とICR前2DEから肺動脈弁の成長を比較する。次にMBTS群では、MBTS前後での肺動脈弁のz scoreの差とsubpulmonary conusの長さとの相関を検討した。【結果】MBTS群:初回vs ICR前の肺動脈弁z score = -3.0±1.5 vs -1.9±1.5(p<0.001)。non-MBTS群:初回vs ICR前の肺動脈弁z score = -1.3±0.8 vs -1.7±1.2(ns)。肺動脈弁z scoreの差とsubpulmonary conusの長さとの相関係数R=-0.36(p=0.087)、肺動脈弁z scoreの差とMBTS前の肺動脈弁z scoreとの相関係数R=-0.46(p=0.0169)であった。【結語】TOFではMBTS前後で肺動脈弁は有意に増大する。その成長因子として術前の肺動脈弁輪径が関連し、肺動脈弁下狭窄も影響するかもしれない。