18:00 〜 19:00
[I-EOP02-07] Fontan術後遠隔期症例に対する臥位エルゴメーターを用いた運動負荷心エコー評価
キーワード:Fontan, 運動負荷心エコー, 運動耐用能
【背景】Fontan術後は遠隔期の運動耐用能低下が問題となる。運動負荷心エコーは冠動脈疾患や弁膜症などで利用されているが、小児循環器領域ではまだ浸透していない。【目的】Fontan術後患者の運動負荷心エコーにおける心機能変化を検討すること。【方法】対象は運動負荷心エコーを行ったFontan術後患者(F群)13例(年齢10-18、中央値14歳、男7、HLHS 3、PAIVS 1、TA/TS 3、DORV 5、TGA 1)。ロード社製臥位エルゴメーターで3分毎に20W増加するBruceプロトコルをGE社製vividE9で心機能指標:心室のFAC、E、s’、e’、GLS(global longitudinal strain)を安静時(rest)と最大心拍数時(peak)で計測した。【結果】運動時間は11.3±4.1分で心拍数はrest74±12→peak132±17に上昇し、FAC:rest0.42±0.05→peak0.49±0.06、E(cm/s):rest64.8±15.3→peak88.9±28.8、e’(cm/s):rest7.1±3.2→10.6±3.4、s’(cm/s):rest5.2±1.0→7.5±2.1、GLS(%):rest16.9±3.3→19.6±2.7と各指標は有意に増加した(p<0.01-p<0.001)。報告での健常児の負荷心エコーデータと比較すると、心拍数、E、s’、e’に関してrest、peakデータ共にF群において低値で増加率も低く、e’よりs’でより差が顕著であった。GLSの増加率は同等であった。【結論】Fontan術後運動負荷心エコーでは各心機能指標の増加がみられたが健常児より低い可能性がある。より詳細な運動耐用能や予後評価の判断の一助となりうる基礎データとして症例の蓄積を行う必要がある。