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[I-EOP03-01] 川崎病急性期におけるアスピリン用量は治療成績に影響を及ぼす
Keywords:川崎病, アスピリン, 治療
【背景】アスピリンは40年以上にわたり川崎病急性期の標準治療として位置づけられ、本邦では30-50mg/kg/日が添付文書に記載されている。近年、risk-benefitの観点から高用量に疑問を呈する報告がある。そこで50mg/kg/日と30mg/kg/日で解熱効果及び冠動脈後遺症(CAL)に差があるか検討した。【方法】当院で初期治療から管理した587名を対象とした。IVIG 2g/kg/24Hrs+アスピリンで初期治療を行い、IVIG開始後48時間時点で37.5C以上の場合追加IVIG施行。終了時に37.5C以上の患者に対して3rd line治療(スクロスポリン内服 or 3rd IVIG)を行った。ASAは37.5C以下に解熱48時間以上経過後に5mg/kgに減量した。2008年1月から2014年4月はアスピリン50mg/kg/dayで治療し(50mg群:n=414)、2014年5月から2016年9月は30mg/kg/日で治療した(30mg群:n=173)。解熱時期とCAL、アスピリンの副作用について後方視的に検討した。【結果】50mg群、30mg群における患者年齢(平均31.5 vs 32.3月)、重症度(群馬スコア平均3.52 vs 3.57)に差はなかった。初期治療後の解熱率は50mg群77.1%、30mg群72.3%で、50mg群で追加治療の割合が少なかった。追加IVIG終了時の解熱率は50mg群94.9%、30mg群92.5%であった。1ヶ月時のCALは、50mg群1.2% (5/414)、30mg群4.0% (7/173)で50mg群で少なかった (p=0.04)。両群とも重篤な肝機能障害、出血のイベントはなかった。【考察とまとめ】IVIGとの併用である現在の標準治療においては、アスピリン50mg/kg/日の方が予後良好であった。単施設、後方視的研究であるが、我々の成績は50mg/kg/日のアスピリンの有用性を支持する。