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[I-EOP04-02] 動脈管依存性心疾患新生児におけるPGE1使用中の経腸栄養
Keywords:動脈管依存性心疾患, 経腸栄養, 壊死性腸炎
【目的】手術前の早期経腸栄養(EN)開始が術後早期回復において有益であるとされている。しかし動脈管依存性心疾患新生児のPGE1使用中における経腸栄養に関し明確な指針は無い。当院での経験を調査検討した。【方法】2015年1月から2016年12月までの間に入院した動脈管依存性心疾患新生児73例を、PGE1使用目的から1)体循環維持、2)肺循環維持、3)動静脈血混合、4)その他の4群に分けPGE1使用下ENについて後方視的に調査検討。また壊死性腸炎等の消化管合併症について調査した。【結果】1)体循環維持目的でのPGE1使用例は34例で、疾患内訳はHLHS、CoA、IAA等。術前のENは29例(85%)で、内22例は日齢2以内の開始。最大摂取量は中央値33(範囲1-166)ml/kg/d。5例は術前EN無し(ductal shockが2例とrestrictive FOが1例、高肺血流による心不全が2例)。中断例は5例(肺鬱血による呼吸状態の悪化が2例、腹部膨満が1例、血圧不安定が2例)で、EN期間は5(2-9)日であった。2)肺循環維持目的は27例で、疾患内訳はPA、PA/IVS、PS、TOF等。全例で術前ENが開始されていた。最大摂取量は147(60-219)ml/kg/d。EN中断は4例(high flow shockが2例、心不全が2例)であった。3)動静脈混合目的は11例全例がTGAで、術前のEN開始は10例(91%)。中断例はなく、EN非開始例は低血圧で早期手術介入であった。4)その他は静脈管開存目的のTAPVC (下心臓型) 1例で、術前EN開始。ENは全例SMAミルクを使用。壊死性腸炎発症例はなく、EN中断例での消化器症状は1例のみ。【考察】PGE1使用下の動脈管依存性心疾患においても、ENは安全に導入可能である。ただし高肺血流に注意し、心不全兆候があれば速やかな中断を要す。特に体血流依存型には慎重な判断が求められる。