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[I-EOP04-03] High Flow Therapy下高濃度酸素の功罪
キーワード:nasal high flow, 間質性肺炎, 高濃度酸素
【はじめに】Nasal High Flow (NHF)の普及により、術後挿管日数の短縮に繋がったり、呼吸状態悪化時に挿管管理を免れる症例が増えてきている。今回低酸素血症のため、Nasal High Flowで高濃度酸素を使用し急性肺障害をきたした2症例を経験したので報告する。【症例1】10ヶ月女児。大動脈弁/弁下狭窄、大動脈縮窄、心室中隔欠損で2ヶ月時Norwood+RV-PAshunt施行し、5ヶ月時RmBTS追加。肺血流少なくSpO2低値で経過しており鼻カヌラ2-3L/minで酸素使用。10ヶ月時SpO2低値のためNHF FiO2 0.9開始。その10日後から咳嗽,翌日に発熱、CRP値上昇あり。種々の抗生剤、抗真菌剤治療行うも改善なし。15日目のCTで間質性肺炎指摘あり。感染は否定的との判断で32日目からステロイド治療を開始、35日目から挿管管理となりその後FiO2 0.35に減量可能となった。ステロイド開始後炎症所見は速やかに低下した。間質性肺炎改善後1歳時にグレン術施行し、低酸素は改善。【症例2】3か月男児。三尖弁閉鎖、大動脈弁下狭窄、大動脈縮窄に対して日齢57にNorwood+RmBTS施行。左右肺動脈が細く、術後SpO2低値で経過。日齢90から低酸素に対してNHF FiO2 1.0を開始。日齢96から発熱、CRP値上昇あり。抗生剤治療でCRP値低下したが、日齢103からレントゲンの透過性が低下。日齢105にCTで間質性肺炎の診断となりステロイド治療開始し、挿管。挿管後はFiO2 1.0から徐々にFiO2 0.35まで減量可能となった。間質性陰影も徐々に改善。日齢124にLV-PA shunt+Left PVO release施行。【結語】NHFは呼吸補助に非常に有用であるが、血行動態に伴う低酸素は改善しない。高濃度酸素使用による合併症の認識を持ち、NHFの適応には注意して使用する必要がある。