第53回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

E-Oral Presentation

集中治療・周術期管理/対外循環・心筋保護

E-Oral Presentation 4 (I-EOP04)
集中治療・周術期管理/対外循環・心筋保護

2017年7月7日(金) 18:00 〜 19:00 E-Oral エリア (1F 展示イベントホール)

座長:西岡 雅彦(沖縄県立南部医療センター こども医療センター小児心臓血管外科)

18:00 〜 19:00

[I-EOP04-04] 小児先天性心疾患開心術後の鼻カニューラによるNO投与とPDE5阻害薬との併用療法

近田 正英1, 小野 裕國1, 北 翔太1, 杵渕 聡志1, 宮入 剛1, 麻生 健太郎2, 都築 慶光2, 水野 将徳2, 長田 洋資2 (1.聖マリアンナ医科大学心臓血管外科, 2.聖マリアンナ医科大学小児科)

キーワード:NO吸入, PDE5阻害剤, 肺高血圧

(目的)NO吸入療法は、重篤は肺血管循環障害の改善に有効である。気管内チューブ抜去後は投与中止となり、リバウンドの肺高血圧が問題となる。我々は約3年前から抜管後は鼻カニューラを用いてNO吸入を行い、必要な症例には、PDE5阻害薬を投与後NOの離脱を行う方法を行っており、今回その結果に関して検討を行った。(対象と方法)NO吸入は重篤な肺血管循環障害が考慮された患者に使用し、抜管後もNO吸入中断が難しかった10症例に鼻カニューラでNO吸入を継続した。鼻カニューラによるNO投与の離脱前にPDE5阻害剤を併用した。年齢は1か月から2.5歳で、体重は2.5kgから12.7kgであった。手術手技は、Glenn手術が4例、TCPCが3例、VSD閉鎖が3例であった。(結果)手術死亡、病院死亡はなかった。すべての症例はNO離脱後のリバウンドは認めなかった。抜管後の鼻カニューラによるNO吸入の時間は2日から26日であった。NO吸入の濃度は、1から10ppmであった。使用したPDE5阻害薬は、シルデナフィルが4例で、タダラフィルが6例であった。投与量はシルデナフィルが0.5mg-1.5mg/kgで、タダラフィルが1mg/kgであった。(結語)鼻カニューラによるNO吸入療法は有効であり、PDE5阻害薬を併用することによってNO離脱時のリバウンドを防ぐことが可能であった。