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[I-OR01-04] CRT super-responderのDCMにおける左室壁運動回復について-2D speckle tracking imagingを用いた検討-
キーワード:心臓再同期療法, スペックルトラッキング法, ストレイン
【はじめに】心臓再同期療法(CRT)は同期不全を伴う心不全の非薬物療法として有効である。小児においても先天性心疾患、心筋症症例の心不全に対して有効であるが、局所の壁運動の回復過程については知られていない。【目的】当院で実施したCRTが奏功したsuper-responder症例の左室壁運動の回復過程を定量的に評価すること。【対象および方法】当院でCRTを実施した拡張型心筋症(DCM)3症例(CRT実施時年齢は11ヶ月-1歳5ヶ月)。GE社Vivid E9、EchoPAC work stationを用い、CRT実施前から1年後の左室駆出率(LVEF)及びspeckle tracking法を用いGlobal strain:Longitudinal(GLS)、Radial(GRS)、Circumferential(GCS)、time to peak RS(septal-lateral, SD)を解析した。【結果】CRT前のLVEFは15.9%、21.0%、16.3%。3症例ともCRT後 1年でLVEFはほぼ60%に復した。2症例でGCSが先行して回復し、3ヶ月でCRT施行前の約2倍に達した(-4.8→-10.8、-3.4→-9.1)。術後6ヶ月以降はGRS、GLS、GCSが並行して改善し術後1年でEFと同様に正常化した。また、time to peak RS(SD)は全症例で1週間以内に正常化していた。 【考察】CRT後の心機能回復期の初期には左室中層の壁運動が寄与し、その後は左室全層が一様に回復していく可能性がある。