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[I-OR02-05] 2D speckle tracking法を用いたFontan術後患者の心房機能解析
キーワード:フォンタン術後, 心房機能, speckle tracking
【背景】Fontan術後は心室機能が低下するが、心房機能の詳細な検討はなされていない。【目的】Fontan術後の心房機能、および、血行動態指標との関連を明らかにすること。【対象/方法】Fontan術後患者(F群)28例(4-28歳中央値12歳)と健常対照児(N群)20例。GE社製VividE9を用いて心機能評価し、その48時間以内に心臓カテーテル検査を施行した。解析は同社製EchoPACを使用し心尖部四腔断面像でReservoir(res)、Conduit(con)、Pump(act)時相それぞれの心房のglobal longitudinal strain(ε)、strain rate(SR)を計測した。N群は左右心房それぞれで、F群は共通心房全体で心外導管部を除いた領域の平均値からε,SRを計測した。N,F群間の比較と血行動態指標との相関を検討した。【結果】F群はN群(左房および右房)よりε res、ε conが優位に低値(p<0.001)だがε actは差がなく、ε act/ε resはF群が有意に大であった(p<0.001)。ε conはPVS/D、E/Aと、SR conは心室拡張早期SRと有意な相関を認めた。(r=0.53,p<0.05、r=0.54,p<0.01、r=0.57,p<0.01) ε resと心室収縮機能との相関はなかった。心臓カテーテル検査のRpとε res、ε conに有意な相関を認めた(r=-0.41,p<0.05、r=-0.64,p<0.01)が、心房圧や肺動脈圧、心拍出量との関連はなかった。【結論】フォンタン術後の心房機能は、心室拡張能低下に起因するconduit機能低下に加え、reservoir機能も低下している。さらに、それら受動的な心房機能には肺血管抵抗が影響を与えている可能性がある。一方で、心室への前負荷の維持にはbooster pump機能が中心的な役割をしていることが明らかとなった。