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[I-OR03-02] フォンタン患者における脾臓サイズと肝機能との関連についての検討
キーワード:フォンタン術後, 肝機能障害, 脾臓
【背景】フォンタン術後患者の血行動態として高い中心静脈圧(CVP)があり、肝うっ血から門脈圧亢進を来し脾腫を生じうる。肝機能障害の程度は高CVPと関連するが、脾腫との関係は明らかでない。【方法】当院で2012年10月から2016年11月の期間で心臓カテーテル検査中にインドシアニングリーン試験を行い、臓器錯位症候群を除いた44名の成人フォンタン術後患者について、DDGアナライザからICG15分停滞率(R15:%)を測定し、肝機能の指標とした。また、腹部断層超音波検査から長径(L:mm)と横径(S:mm)を測定しこれらの積(LS:mm2)を脾臓サイズの指標として用い、脾臓サイズと肝機能障害のパラメーターとの関連について後方視的に検討した。【結果】LSはR15と正の相関を(r=0.508, p=0.0004)、血清アルブミン値(r=-0.372, p=0.011)と血中血小板値(r=-0.496, p=0.0005)と負の相関を示した。これらのうちLSはR15の上昇(p=0.04)と低い血中血小板値(p=0.026)と独立に関連していた。一方、LSは総ビリルビン値、ALT値、γGPT値とは関連を認めず、肝線維化マーカーである血中の4型コラーゲンやヒアルロン酸濃度との関係がなかった。【結論】臓器錯位症候群を除いた成人フォンタン術後患者において、脾臓サイズの評価は肝機能障害に関連した病態の評価に有用と言える。