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[I-OR03-03] Fontan患者の肝機能に影響を与える日常生活の特徴~動的CVPとの関連~
キーワード:Fontan, 肝うっ血, 日常活動量
【背景、目的】Fontan患者はその特異な循環動態により、身体活動に伴いCVPが容易に上昇しやすく、日常生活様式が肝うっ血を含む長期予後に大きな影響を及ぼしている可能性がある。我々は、Fontan患者の活動量と肝うっ血に関連がある可能性を報告してきた。今回、日常生活における活動総量に加え、活動時のCVP、活動の内容も肝うっ血の重要な規定因子であるという仮説を検証した。【方法】Fontan患者23人(平均8.4歳)を対象に、高精度行動量測定計を2週間装着して活動消費エネルギー(AEE)を測定し、AEE≧12kcal/kg/dayとそれ以外で活動多・少群に分けた。また、各々の群でγ-GTP値≧50IU/Lとそれ以外の肝機能不良・良好群に分け、全部で4群に分類した。またトレッドミル運動負荷(TM)中の末梢静脈圧から運動時最大CVPを計測した。【結果】活動多群において肝機能良好群(n=7, 平均8.8)は不良群(n=5, 7.6歳)よりも運動時最大CVPが有意に低値を示し(γ-GTP 33.7 v.s.89 IU/L p<0.001, 最大CVP 15.5 v.s.20.3 mmHg p<0.05)、活動量が多くても肝機能良好な患者の最大CVPは低値であることが示唆された。一方、活動少群において肝機能不良群(n=5, 平均9.9歳)は良好群(n=6, 平均8.1歳)よりも中等度~激しい活動レベル(>3.0Mets)の活動量が有意に多く(p<0.05)、休日の活動量も有意に多かった(p<0.05)ことから、活動量が少ないにも関わらず肝機能不良の患者の特徴として、中等度以上の強度の活動を行うこと、休日に休息しないことが示唆された。【結論】Fontan患者の肝うっ血は活動量のみならず、動的CVPや活動強度、休日の過ごし方等の生活様式とも大きく関わっており、予後改善のための新たな標的となりうる。