The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Free Paper Oral

成人先天性心疾患

Free Paper Oral 4 (I-OR04)

Fri. Jul 7, 2017 1:55 PM - 2:45 PM ROOM 2 (Exhibition and Event Hall Room 2)

Chair:Tomoaki Murakami(Chiba Children's Hospital)

1:55 PM - 2:45 PM

[I-OR04-05] 成人先天性心疾患に対する外科治療の諸問題

小渡 亮介, 鈴木 保之, 大徳 和之, 福田 幾夫 (弘前大学 医学部 胸部心臓血管外科)

Keywords:成人先天性心疾患, 手術, 外科治療

【背景】成人先天性心疾患(ACHD)患者は増加し続けている。成人期に初めて診断されて手術を受ける患者と、幼少期に手術を受けた後の遺残症や続発症に対し手術を受ける患者が存在し、ACHD特有の合併疾患やそれに対する手術が必要になり、治療に難渋することがある。【目的】ACHDに対する外科的治療の問題点を提起し、より良い治療を探ること。【対象と方法】2002年から2016年に手術を行った17歳以上のACHD患者115例(男:女=57:58、年齢46±17歳)を対象とし、疾患名、術式、併施手術を調査した。【結果】患者の疾患はASD41例、VSD25例、TOF6例、DORV4例、その他39例だった。ASD症例で併施手術は25例に行われた。1例は感染性心内膜炎例で三尖弁と僧帽弁と肺動脈弁の置換を行った。その他24例に三尖弁形成術が施行され、うち5例は不整脈手術や僧帽弁形成、右室流出路形成も施行した。VSD症例で併施手術は11例に行われ、大動脈弁置換を3例に施行し、うち1例は上行大動脈置換も行った。3例に右室流出路形成を行い、残り5例は感染性心内膜炎発症例で、三尖弁形成を3例に、三尖弁置換を1例に、三尖弁と肺動脈弁置換を1例に行った。TOF症例で初回手術は2例、肺動脈弁狭窄や遺残短絡に対する再手術が4例だった。初回手術の17歳、右室低形成例は、術後2年でグレン手術を行ったが、右心不全で失った。再手術例の47歳、over systemic PHのDown症例は僧帽弁置換、三尖弁形成、右室流出形成を行ったが敗血症で在院死した。DORV症例は3例がFontan手術に到達し、うち1例はprimary Fontan例だった。【まとめ】ACHDに対する手術成績は良好だった。併施手術は弁形成や弁置換、人工血管置換などが多く、右心系に対する併施手術が多かった。死亡例は手術適応や術式選択に反省点があったと考える。Fontan症例を含め、小児の手術基準をそのまま適応するかは不明で、今後はMRIなどでの右心機能評価を元にした治療戦略の構築が重要と考える。