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[I-OR05-03] 小児用LVAD(Excor)を使用したDCMの7例
キーワード:小児用LVAD, Excor, DCM
われわれの施設では、2012年8月から小児のDCM7症例に対して小児用LVAD(Excor)の植え込みを開始し、海外渡航心移植および国内での心移植へ導いた。【症例】1.1歳、体重6.7kg。渡航移植までの約6ヶ月間に血栓によるポンプ交換を4回行った。送脱血管皮膚貫通部の感染を併発し、長期の抗生剤投与を必要とした。2.12歳、体重25kg。緊急でECMO導入後にExcor(30cc)植込み施行。2年2か月後に国内での移植となった。3.6歳、体重15kg。Rota FlowによるLVAD導入後にExcor(30cc)植込みとなった。本症例は下肢不全麻痺のため送脱血管の動揺が小さかったためか、感染は併発しなかった。4か月後に渡航移植となった。4.11ヶ月、体重7.9kg。Excor(10cc)植込み後、感染併発し抗生剤継続投与のまま海外渡航心移植となった。送脱血管皮膚貫通部に生じた不良肉芽は硝酸銀処置よりも綿球での圧迫が縮小には効果的であった。5.10ヶ月、体重3.9kg。Excor(10cc)植込み後11か月間に血栓によるポンプ交換を8回必要とした。海外渡航後に脳出血併発したが、心移植へ到達した。6.1歳、体重7.5kg。VSD,DCM の診断で2ヶ月時にPAB施行。体重増加を待ってExcor(15cc)の植込み術施行。7.2ヶ月、体重2.6kg。10ccポンプを装着したが、初期には多量の降圧剤を必要とした。【結果】7例中4例は海外渡航心移植、1例は国内での心移植を受け経過順調である。7例中4例に感染を併発し、長期の生剤投与を必要とした。【考察】1.Excor植込み後、INRは3.0から3.5を目標に管理したが、10ccポンプではポンプ内血栓による交換を頻回に必要とした症例があった。2.送脱血管の皮膚への固定が感染回避には非常に重要であった。【結語】DCMの小児に対してLVAD植込みを7例に行い5例は心移植へ到達した。Excorは小児用LVADとして極めて有用と考えられた。