The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Free Paper Oral

心血管発生・基礎研究

Free Paper Oral 8 (I-OR08)

Fri. Jul 7, 2017 9:35 AM - 10:25 AM ROOM 5 (Exhibition and Event Hall Room 5)

Chair:Susumu Minamisawa(The Jikei University School of Medicine)

9:35 AM - 10:25 AM

[I-OR08-04] バイオチューブ人工血管の仕様設計の多様性

中山 泰秀, 寺澤 武 (国立循環器病研究センター 研究所 医工学材料研究室)

Keywords:再生医療, 人工血管, 動物移植実験

【背景】
「型」を皮下に埋入させて結合組織体を自己組織のみで形成できる新発想再生医療技術である「生体内組織形成術(IBTA)」を用いて、移植体の開発を進めてきた。バイオチューブとは、IBTAを用いて形成される管状組織体の総称である。十数年以上の研究を重ね、当初よりシリコーン丸紐を型として、その周囲に形成される管状組織体をバイオチューブと称して、代用動脈として利用できることを中動物移植実験で実証してきた。しかし、形成組織膜の厚さが不均一であるなど、実用性に課題が多かった。本研究では、口径、長さ、厚さ、形状などバイオチューブの設計の多様性について報告する。
【方法と結果】
1)鋳型設計:従来シリコーンを心棒として、スリットを有するステンレス管を被せることで鋳型を作製した。鋳型形状に関わらず、これまで同様に1、2ヶ月間埋込むことで、心棒と管との隙間に組織侵入が起こり、管状結合組織体としてのバイオチューブを得ることができた。
2)口径設計:心棒の外径を変えるだけで、バイオチューブの口径を調節することができた。動物実験では0.5mm~30mmまでを得ている。
3)壁厚設計:心棒と管との隙間を変えるだけで、バイオチューブの壁厚を0.3mm~10mmの範囲で調節することができた。
4)形状設計:バイオチューブはアルコール中で年単位での保存が可能であり、移植前に生理食塩水で柔軟性に戻している。保存時に所望の形状にしておくと、生理食塩水で洗浄後も形が維持できた。予め決まった目的形状の鋳型を揃える必要がなく、後処理で移植部に合わせた形状を得ることができる。
5)長さ設計:どんなに長いバイオチューブも長い鋳型を用いれば、原理的に作製可能であるが、現実的に小さな個体に埋め込むことは難しい。そこで、渦巻き状に曲がった6cm程度の鋳型を設計することで、25cmの長さが得られた。上記の処理をすることで、直線状にもループ状にも変形が可能であった。