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[I-OR09-03] Vector Flow Mappingを用いたTOF術後の肺動脈弁逆流評価の有用性
キーワード:TOF, 肺動脈弁逆流, 心エコー
【背景】肺動脈弁逆流 (PR) はTOF術後 (rTOF) においてしばしば右心機能不全の原因となるため、右室流出路再建(弁付き人工血管)や肺動脈弁置換が必要となることがある。カテーテル検査や心臓MRIで定量化し評価することが一般的であるが、超音波検査では未だ有効な定量化が確立されていない。【目的】rTOFにおいてVector Flow Mapping (VFM) から得られる肺動脈弁逆流率(PRF-VFM) 評価の有用性について検討すること。【対象】2013年8月から2016年9月にCMRおよびVFMを同時期に施行した34例(年齢 2.8-31.1歳;14.8±6.7歳, 男:女=24:10)。疾患内訳はTOF 28例, TOF PA 2例, VSD PS 1例, DORV PS 1例, TOF MAPCA 2例。術後年数 11.9±6.8年, RVEDVI 123.5±32.2ml/m2, RVEF 47.4±5.8%であった。【方法】 PRF-VFMはHITACHI社製ALOKA Prosound F75にてColor Doppler imageから肺動脈弁レベルのline上のDoppler profileから得られた順行性・逆行性血流から算出した。さらに他の心エコーパラメーターとして3DEでの右室拡張期末期容量index(3D-RVEDVI), 体表面積補正した三尖弁輪径(TVI), RR間隔で補正したPRのPressure half time(PHT/RR), PR時間と全拡張期時間の比 (PR index)を求め、CMRから求めたPRF(PRF-CMR)と比較検討した。PRF-CMRはPhilips社製1.5TMRIを用いて、主肺動脈の順行性・逆行性のQ-flow waveから算出した。【結果】PRF-VFMは40.1±13.3%, PRF-CMRは44.6±13.8%であった。PRF-CMRと各心エコーパラメーターと相関は以下の通りで, PRF-VFM(r=0.80 p<0.001), 3D-RVEDVI (r=0.61 p<0.001), TVI (r=0.35 p=0.046), PHT/RR (r=0.21 p=0.24), PR index (r=-0.06 p=0.74)でPRF-VFMが最も強い相関を示した。【結語】PRF-VFMはrTOFのPR定量に最も有用な心エコー指標のひとつである。