The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Free Paper Oral

術後遠隔期・合併症・発達

Free Paper Oral 10 (I-OR10)

Fri. Jul 7, 2017 1:55 PM - 2:45 PM ROOM 5 (Exhibition and Event Hall Room 5)

Chair:Masaru Miura(Division of Cardiology, Tokyo Metropolitan Children's Medical Center )

1:55 PM - 2:45 PM

[I-OR10-01] 術後乳び胸の治療方針の再考する

佐藤 純1, 大橋 直樹1, 西川 浩1, 吉田 修一朗1, 鈴木 一孝1, 大森 大輔1, 山本 英範1, 武田 紹1, 櫻井 一2, 野中 利通2, 櫻井 寛久2 (1.中京病院 中京こどもハートセンター 小児循環器科, 2.中京病院 中京こどもハートセンター 心臓血管外科)

Keywords:乳び胸, オクトレオチド, リンパ管シンチグラフィ

【目的】先天性心疾患術後合併症の一つに乳び胸があり、治療に難渋することが多い。乳び胸の治療として絶食、MCTミルク、オクトレオチド(Oct)、ステロイド(Ste)、リンパ管シンチグラフィ(Sci)、胸膜癒着術(Ad)、胸管結紮術がある。どの症例にいつどの治療を行うかは定まった指針はなく、施設により方針が異なるのが現状である。当院では乳び胸の既往や術中所見で懸念がある例では予防的にMCTミルクや脂肪制限食から開始している。乳び胸発症例ではまず上記の内科治療を行い、遷延する例ではリンパ管シンチグラフィや胸膜癒着術等を行う方針としている。今回過去の乳び胸症例を振り返り、今後の治療方針を再考したい。【方法】2014年1月~2017年1月までの先天性心疾患手術症例において、胸水の肉眼的性状もしくは生化学所見から術後乳び胸と診断した19例(男児7例、女児12例)を対象とした。【結果】手術時日齢は0~5108(中央値65日)、TOF6例、SV4例(うちasplenia2例、HLHS1例)、VSD+CoA2例、TAPVC2例、cAVSD2例、その他3例。染色体又は遺伝子異常はDown症5例(26%)、その他2例。乳び胸診断は術後2~26日(中央値8日)、総ドレーン留置期間は3~92日(中央値12日)。最終ドレーン抜去日は術後5~166日(中央値21日)で非常に難渋した1例を除き60日以内であった。治療はMCTミルク・脂肪制限のみ4例、脂肪制限+ステロイド1例、NPO・TPNのみ1例、NPO・TPNに加えOct6例、Ste1例、Oct+Ste2例、Oct+Ad1例、Oct+Ste+Sci1例、Oct+Ste+Ad+Sci2例であった。Ad施行は術後38~63日(中央値44日)。胸管結紮術を行った症例はなかった。【考察】当院では治療抵抗例においても術後2か月以内までは内科治療を継続することを原則としている。具体的にはNPO+TPN+OctをベースにSte,Sci,Adの追加を検討し、2か月で改善しない例では胸管結紮術へ踏み切る方針を考慮している。