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[I-OR10-03] 喀血を来たしカテーテル治療を施行した症例の検討
Keywords:喀血, 術後遠隔期, 肺静脈狭窄
【背景】喀血は時に気道閉塞や出血性ショックを来たす事も有り得る重篤な臨床症状である。緊急に治療介入が必要な症例も存在する。今回、喀血に対し、カテーテル治療介入を行った症例の背景とリスク因子と予後を検討した。【目的】喀血を来たした症例に対し、その背景とリスク因子と予後を分析/検討し明らかにする事。【対象・方法】対象は2006年9月~2016年12月の期間に当科で喀血に対しカテーテル治療介入を施行した、11症例15件を対象とし、診療録を用い後方視的に検討した。【結果】全11症例の内、心内に構造異常を有した症例は9症例であった。BVR群は4症例【症例1~6】で、SVR群は5症例【症例7~11】であった。心内に構造異常を有しない2症例は【症例1】右気管支動脈拡張症、【症例2】巨大肺動静脈奇形、であった。BVR群の内、3症例【4/5/6】はBVR後であり、1症例【3/先天性CMV感染症】は未修復であった。SVR群の内、3症例【7/10/11】はGlenn術後/Fontan前であり、2症例【8/9】はFontan術後であった。5/6/7/9/10/11は肺静脈狭窄/閉塞,or 片側肺動脈閉塞を来たしていた。【考察】喀血を来した症例は肺静脈狭窄/閉塞、肺動脈閉塞、先天的異常血管等を有していた。心内に構造異常を有する症例では慢性的な低酸素状態に晒されており、発達した側副血管の破綻による出血が原因と考えられた。喀血を繰り返した症例はBVR群/SVR群/心内構造異常(-)の各群に認めた。喀血に直接起因する死亡症例は認めなかった。【結論】肺静脈狭窄/閉塞、肺動脈閉塞を来たした症例は喀血の高リスク群と考えられた。低酸素血症を有する症例は側副血管増生が高率に認められ、喀血の高リスク群と考えられた。喀血による直接の死亡症例は認めなかった。