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[I-OR13-05] 位相差X線CT法による房室中隔欠損症の刺激伝導系の走行経路
Keywords:房室中隔欠損, 刺激伝導系, 位相差X線CT
【はじめに】大型放射光施設SPring8で撮影される位相差X線CTは臨床で使用されている吸収コントラストCTの約1000倍の分解能を有し、実質臓器のような軟組織の組織解剖を非破壊で明らかにする点で非常に有用である。正常心検体においては房室伝導路の描出に成功しており、病理組織学的方法で確認されたことが報告された。その撮影手法を応用して房室中隔欠損症検体の刺激伝導系の走行を評価した。【方法】房室中隔欠損症と診断された未手術の剖検摘出検体を対象にSPring8の医用ビームラインBL20B2においてタルボ干渉計による位相差X線CTを撮影した。画像データ(10-20μm/ピクセル)解析にImage J、Amira Jを用い、刺激伝導系の走行経路および欠損孔や弁下組織などの周囲の構造物との関係を評価した。【結果】位相差X線CT画像において房室接合部から一次孔心房中隔欠損、心室中隔欠損を確認できた。心室中隔欠損の後下縁に沿って連続する低能度構造物の描出を確認し、刺激伝導系が描出された。【まとめ】AVSDの刺激伝導系の走行に関して、位相差X線CTという新たな手法を用いて描出可能であった。より詳細な定量的な検討が今後の課題と考えている。得られた知見を臨床に反映し、診療成績向上の一助となると期待される。