8:40 AM - 9:30 AM
[I-OR14-05] PA IVSに対する治療戦略
Keywords:肺動脈閉鎖症, 経皮的肺動脈弁形成術, Brock
【目的】PA IVSは右室低形成を伴い、治療のGoalもFontan手術、二心室修復(BVR)、1.5心室修復と幅広い。今回当院におけるPA-IVSについて検討を行い、初期治療としての順行性血流についての考察を行った。【方法】1994年より2016年までに当院で外科的治療を行った35例について検討を行い、外科手術、カテーテル治療、術後経過について検討を行った。2006年までは症例によってBrock手術を施行し、2013年よりRadiofrequency wireも使用可能となり積極的にカテーテルによる経皮的肺動脈弁形成術を施行するようになってきた。【結果】35例中13例にsinosoidal communicationを認めた。初期治療として6例にBrock手術施行、3例にopen valvotomy、7例にカテーテルによる肺動脈弁形成術を施行し計16例について右室から肺動脈への順行性血流を作成する手術を作成した(Forward flow群16例)、Forward flow群で11例(69%)がBT shunt手術を必要とした。順行性血流を作成しなかった19例(Non-Forward flow群)は初期手術として全例BT shuntを施行した。Forward flow群は10例(63%)がBVR施行、2例(12%)が二心室修復術待機中、3例(19%)が経過観察中、1例(6%)がFontan手術施である。Forward flow群での死亡例を認めなかった。Non-forward flow群は3例をBTS手術後死亡(死亡率19%)、16例(84%)はFontan手術に到達した。Fontan手術後3例に盲端右室に関連する塞栓症を認めた。【結論】PA IVSに対してForward flowを作成する治療方針は、BVRの可能性を上げるだけでなく、死亡率の面でもNon-Forward flow群より良好であった。またFontan手術後に盲端右室に関連する塞栓症がみられた症例を認めた。今後はBVRを目指し、全体的な死亡率を低下させるためにもPA IVSに対してできるだけ右室のForward flowを作成する治療戦略をとっていく方針である。