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[I-OR16-02] Fan-shaped ePTFE valveとbulging sinus ePTFE patchを用いた右室流出路再建術
Keywords:弁付きpatch, 右室流出路再建, 外科治療
【目的】右室流出路再建術(RVOTR)において、transannular patchの使用を余儀なくされる症例がある。我々は長期的な弁機能保持を目的としfan-shaped valve(FS)とbulging sinus(BS)を有したePTFE conduit patchを開発・臨床応用し、現在までに本邦のべ65施設で使用されている。今回、多施設における本弁の遠隔成績につき検討する。【対象と手術】2001年~2015年にRVOTRに本patch使用690例を対象。手術時年齢・体重の中央値は1.3歳(4日-64.2歳)・8.7 (2.8-83.1) kg。monocuspid 634例(sinus径は13.5mm 201例、15mm 248例、17.5mm 80例、20mm 56例、不明49例)、bicuspid 49例、tricuspid 7例。【結果】平均経過観察期間は7.6±3.5 (最長15.9)。早期死亡8例、 遠隔期死亡19例でいずれも弁関連死なし。末梢肺動脈狭窄に対しインターベンションを71例に要した。再RVOTRは37例(2ヶ月~10.8年後)で原因はRVOTS 20例、PR 4例、PSR5例、IE1例、他病変に対する手術介入時3例。再RVOTR回避率は5年96.7%、10年92.0%、15年89.9%。術後PRはmild 以下499例(77.3%)、moderate 139例 (21.5%)、severe 8 (1.2%)。右室-肺動脈圧格差は11.4±13.3mmHgで40mmHg以上37例(5.4%)。RVEDVI≧150ml/m2は 33例(13.5%)。【考察】FSとBSを有するePTFE patchを用いたRVOTRの遠隔期成績はほぼ満足のいくものであった。しかし、ePTFEは硬いため適切なサイジングを行わないと肺動脈狭窄をきたす恐れがあると考える。加えて、PRは後方の自己弁の状態にもよると思われるがさらなる弁デザインの改良につなげたい。