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[I-OR17-03] 先天性心疾患に合併した気管・気管支軟化症への治療戦略
キーワード:気管軟化症, 先天性心疾患, 外科治療
【背景】先天性心疾患に気管・気管支軟化症を合併するものは少なくなく、周術期管理において対応に苦慮する事はしばしば経験する。【目的・方法】2005年4月以降に手術介入した先天性心疾患で気管・気管支軟化症を合併した34症例(男:女=25:9)、延べ44回の介入を対象とし、後方視的に心疾患と気管・気管支軟化症のタイプの関連を把握し、介入方法と成績について検討する。気管狭窄に対する形成術後軟化症、血管輪および気管切開後の気管腕頭動脈瘻は除外した。【結果】出生時体重は2647±982.3gであったが、37週未満の早産時が7例(20.6%)に対し低出生体重児が11例(32.4%)と多く、また-SD以下の子宮内発育遅延は8例(23.5%)に見られた。介入時月齢は中央値5.6ヵ月(0.2~43.2)で体重は5.34±2.23kgであった。心疾患と介入回数は左心低形成症候群と類縁疾患(N群)7例で8回、conotruncal anomaly(CTA群)18例で27回、その他の高肺血流となる疾患(HF群)が8例で8回、その他1例1回であった。CTAはarch再建を要する大動脈縮窄症(CoA) type 4例、5回、上行大動脈(aAo)が太いファロー四徴症(TF) type 9例、13回、肺動脈(PA)が拡大する肺動脈弁欠損(APV) type 5例、9回に分類された。N群には下行大動脈(dAo)の後方吊上げ3例、aAoの縫縮2例、右PAの前方転位を2例に行った。CoA typeにはdAoの後方吊上げ2例、右PA転位を2例、PAの縫縮吊り上げを1例、TF typeにはaAo吊り上げ7例、右PA転位1例、aAo縫縮1例、PAの吊り上げ、縫縮を計3例、APV typeは右PA転位4例、PA縫縮4例、PA縫縮吊り上げを1例に行った。HF群はaAo吊り上げ1例、右PA転位5例、PAの吊り上げ、縫縮を計3例に行った。6例に気切を要し、うち3例がAPV群であった。その他は全例抜管に至った。手術死亡1例、遠隔死亡3例であった。【結語】心疾患に特徴的な形態が軟化症の原因となるため、適切な形態評価を行い、上記の手技を適切に組み合わせることで良好な成績が得られると考える。