第53回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般口演

外科治療

一般口演 17 (I-OR17)
外科治療 4

2017年7月7日(金) 13:55 〜 14:45 第6会場 (1F 展示イベントホール Room 6)

座長:井本 浩(鹿児島大学大学院 心臓血管・消化器外科学)

13:55 〜 14:45

[I-OR17-04] 小児専門病院での循環器疾患に対する緩和ケアの取り組み

朴 明子1, 浅見 雄司2, 新井 修平2, 田中 健佑2, 池田 健太郎2, 下山 伸哉2, 小林 富男2 (1.群馬県立小児医療センター 血液腫瘍科, 2.群馬県立小児医療センター 循環器科)

キーワード:緩和ケア, チーム医療, 多職種カンファレンス

【目的】小児循環器疾患における緩和ケアチーム介入の報告はこれまでにほとんどない。当センターは小児専門病院であるが、他の小児専門病院と比較し、緩和ケアを提供するための人的資源が十分ではない。人的資源の少ない地域の小児専門病院で、緩和ケアの普及のための活動を行い、小児循環器疾患の緩和ケアに対する認識が向上している。これまでの取り組みについて報告する。【方法】2011年より活動をはじめ、2013年からは正式な院内組織として勉強会を中心に活動を行った。2015年4月からは緩和ケアチームとしてコンサルテーションを受けている。2015年には非がんの緩和ケアに対する意識向上目的で、小児の循環器疾患における緩和ケアの講演会を行った。【結果】講演会の院内参加者は98名で、うち64名からアンケートを回収した。54名から緩和ケアの勉強会の希望があり、内容としては難しい場面でのコミュニケーションが31名と最も多く、緩和ケアチームへの要望としては、難しい症例における多職種カンファレンスが最も多かった。緩和ケアチームへの介入依頼は、2015年4月から2016年9月までに、院内外から23例の依頼があり、うち15例は非がんの症例であった。依頼科は循環器科が8例と最も多かった。循環器科からの主な依頼内容は家族の心理的サポートが4例、きょうだいケア1例、意思決定支援6例、在宅緩和ケア2例、復学支援1例などであった。緩和ケアチーム介入後のアンケートでは、多職種カンファレンスや心理的サポートに対する満足度が高く、非がんの症例を含め依頼件数が増えつつある。【考察】勉強会などを通して院内の緩和ケアに対する意識が向上し、個々の症例に必要なサポートを行うことにより緩和ケアチームへの依頼が増えていると考えられた。人的資源が少ない中で、緩和ケアチームとしてどのような小児緩和ケアの取り組みができるのか考察する。