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[I-OR17-05] 1生日に循環不全で発症したDORV,severe PS,cervical aortic arch,CoA,MAPCAの1例
Keywords:cervical aortic arch, MAPCA, neonate
【背景】稀な疾患であるcervical arotic archにCoAとMAPCAを合併したため生後1日で緊急手術介入が必要となった1例を経験したので報告する。【症例】1生日女児、体重3.2kg、胎児期にDORV、subaortic VSD、severe PS、MAPCA、cervical Right Aortic Arch、aberrant LSCAと診断され当科紹介。在胎40週5日で仮死なく出生、エコーでCoA、retroaortic innominate veinが判明。尿量低下、代謝性アシドーシスの進行あり造影CT検査施行。両側のSCAがCoA末梢から起始、右肺MAPCAがLSCAから、左肺MAPCAがLSCA末梢の下行大動脈から起始しており、頭部以外の全身、殆どの肺血流供給がCoA以遠からなされているため肺血管抵抗の減少に伴い循環不全を呈したと推測された。その他食道や気管支の圧迫は認めず。Lipo PGE1に反応せず強心剤で循環の改善が得られず緊急手術となった。術式はEAAA+UF+RV-PA conduit(5mm ePTFE graft)。cervical archからLSCA手前までは動脈管組織を疑わせる厚い柔らかい組織で血管内が覆われていた。術後経過は良好で術後3日に抜管、翌日ICU退室。【考察】cervical arotic archにCoAとMAPCAを合併した症例の外科治療報告は見当たらない。両SCAが狭窄以遠であり上下肢の圧格差は無く、エコーと臨床症状による手術適応の判断が必要である。椎骨動脈、内胸動脈はそれぞれSCAから起始しており対麻痺のriskを避けるため下行送血を用いた。CoA修復のみで循環が改善した可能性はあるが、殆どの肺血流がCoA以遠より供給されているため、CoAの修復に際しては体外循環補助が必要であること、MAPCAは動脈管の関与やEAAAに伴う形態変化の可能性があり、UF同時施行はリスクを増やすよりも血行動態を単純化させ救命率を上げると考えた。椎骨動脈、内胸動脈はそれぞれSCAから起始しており対麻痺のリスクを避けるため下行送血とした。静脈血をより多く肺に送れる点、拡張期動脈圧を高く保てる点を期待しRV-PA conduitを行った。