The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Free Paper Oral

集中治療・周術期管理

Free Paper Oral 20 (I-OR20)

Fri. Jul 7, 2017 4:55 PM - 5:45 PM ROOM 6 (Exhibition and Event Hall Room 6)

Chair:Muneyuki Taleuchi(Department of Intensive Care Medicine, Osaka Women's and Children's Hospital)

4:55 PM - 5:45 PM

[I-OR20-01] フォンタン型手術前の肺動脈径はフォンタン型手術後急性期の転帰に影響を与えるか

上村 和也, 田中 敏克, 瓦野 昌大, 谷口 由記, 平海 良美, 松岡 道生, 亀井 直哉, 小川 禎治, 富永 健太, 藤田 秀樹, 城戸 佐知子 (兵庫県立こども病院 循環器内科)

Keywords:pulmonary artery size, Total cavopulmonary connection, clinical course

【背景】フォンタン手術(以下F術)適応の基準として肺動脈(以下PA)径を用いる方法があり,本邦ではPA indexが頻用されている.従来,PA径はF術後経過に影響するといわれていたが,実臨床では必ずしもそうとは限らない.【目的】F術前のPA径が術後経過に与える影響を評価すること.【方法】対象は2011年1月から2016年12月までに当院にて術前カテを施行した上でF術を施行し,かつ術後カテを行った計36症例.術前カテでのPA indexの値で,A群(PA index<200),B群(PA index≧200)の2群に分類し,F術後の挿管期間,ドレーン留置期間,ICU滞在期間,入院期間,利尿剤IVを要した期間,F術後1年間における追加手術の有無,F術後1年間におけるカテーテル治療の有無,F術後初回カテでのRp,PA圧,CIについて比較した. 【結果】A群が20例,B群が16例,PA indexの中央値はそれぞれ171(99-197),227(200-340)であった. 各項目の比較結果[A vs B]は,挿管期間[1(0-11) vs 1(0-16), p=1.00],ドレーン留置期間[9(4-72) vs 7.5(4-27), p=0.73],ICU滞在期間[7(3-40) vs 7(3-28), p=0.90],入院期間[25.5(12-356) vs 22(14-65), p=0.46],利尿剤IVを要した期間[15(6-48) vs 11(6-54), p=0.76],F術後1年間における追加手術を施行した症例数[6 vs 6, p=0.73],F術後1年間におけるカテーテル治療を施行した症例数[3 vs 3, p=1.00],F術後初回カテでのRp[1.1(0.32-5.1) vs 1.3(0.72-3.6), p=0.40],PA圧[12.8(11-21) vs 12.0(10.5-16.0), p=0.14],CI[3.4(2.0-4.9):3.9(2.4-5.9), p=0.21]で,いずれの項目においても2群間に有意差を認めなかった.【考察】今回の検討ではF術前のPA径と術後経過の間に関連を認めなかった.手術手技の確立や新たな肺血管拡張薬,術前のカテーテル治療などの補助療法の進歩により,PA径が術後経過に与える影響が小さくなっているのではないかと考えられた. 【結論】F術前のPA径は術後経過と関連がない.