The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Free Paper Oral

集中治療・周術期管理

Free Paper Oral 20 (I-OR20)

Fri. Jul 7, 2017 4:55 PM - 5:45 PM ROOM 6 (Exhibition and Event Hall Room 6)

Chair:Muneyuki Taleuchi(Department of Intensive Care Medicine, Osaka Women's and Children's Hospital)

4:55 PM - 5:45 PM

[I-OR20-04] 当院の左心低形成症候群におけるGlenn手術までの治療戦略

佐々木 理1, 佐々木 大輔1, 阿部 二郎1, 泉 岳1, 山澤 弘州1, 橘 剛2, 武田 充人1 (1.北海道大学病院 小児科, 2.北海道大学病院 循環器外科)

Keywords:左心低形成症候群, BNP, Glenn手術

背景:左心低形成症候群(HLHS)はGlenn手術(G術)後よりもG術前までの死亡率が高い。当科では2014年以降、生後からG術まで入院継続とし、G術までの循環管理で問題となる心機能、冠循環、肺血流、弁逆流をBNPで総合的に評価し、PDE3阻害剤によるサポート、心保護薬の早期導入等によりG術までのBNPをより低く管理する方針としている。目的:当科のHLHSに対するG術までの治療戦略の有用性を検討する。方法と対象:2010年1月から2016年12月までに当院で両側肺動脈絞扼術(P術)を施行したHLHS13例を2010-2013年の5例(A群)と2014-2016年の8例(B群)に分類し臨床経過を比較した。結果:出生週数/体重はA群中央値38.6(37.0-39.0)週対B群37.3(35.7-39.7)週(P=0.31)、2722(2098-2862)g対2560(1668-3487)g(P=0.94)、P術日齢は6(1-6)対3(0-39)(P=0.61)、Norwood手術(N術)日齢は33(23-49)対36.5(15-56)(P=0.86)。全例で類洞交通は無く、B群に中等度三尖弁逆流が2例いたが重度はおらず、G術前の右室内腔面積変化率は0.39(0.32-0.40)対0.34(0.23-0.37)(P=0.12)であった。経過は、A群は5例中3例がTCPCに到達したが、うち1例はPLEを発症し死亡。到達しなかった2例は1) N術後にBNP高値もPDE3阻害剤を術後早期に中止しており、退院前に急変し日齢81に死亡、2) N術後もBNP高値でre-CoAに対してPTA前に急変し日齢66に死亡した。B群は、8例中5例がG術後でTCPC待機中で、死亡した3例のうち、2例は多発心外奇形合併例で各々P術後とN術後に死亡、1例はG術後に縦隔炎で死亡した。G術後生存例のG術前BNPは114.3(113.7-139.5)pg/ml対110.9(33.0-165.1)pg/ml (P=0.71)、G術までの平均BNPは769.2(700.1-1121.6)pg/ml対319.8(213.3-550.8)pg/ml(p=0.0058)だった。心外奇形合併例を除くと、G術までの死亡率は2/4例対0/6例(P=0.053)でB群で死亡率が低い傾向があった。結語:当科のHLHS治療戦略は、G術前の死亡率を減少させる可能性がある。