The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Free Paper Oral

成人先天性心疾患

Free Paper Oral 22 (I-OR22)

Fri. Jul 7, 2017 9:40 AM - 10:30 AM ROOM 7 (Seminar and Exchange Center, 2F The Music Studio Hall)

Chair:Yoshie Ochiai(Department of Cardiovascular Surgery,JCHO Kyushu Hospital )

9:40 AM - 10:30 AM

[I-OR22-03] ファロー四徴症修復術後成人患者の心血管イベントとセルフケア・生活習慣・精神的問題の関連についての検討

新原 亮史1, 山崎 啓子1, 坂本 一郎2, 山村 健 一郎3, 兒玉 祥彦4, 石川 司朗4, 樗木 晶子1 (1.九州大学大学院医学研究院 保健学部門, 2.九州大学病院 循環器内科, 3.九州大学病院 小児科, 4.福岡市立こども病院 循環器科)

Keywords:ファロー四徴症, 心血管イベント, セルフケア

【背景】ファロー四徴症(TOF)における修復術後の生存率は著しく改善し成人期を迎える患者が増加している。このため、心血管イベント(CVE)についての医学的検討は多くなされてきたが、CVEと、セルフケア・生活習慣・精神的問題の関連について調査した報告は少ない。【目的】TOF患者のCVEや臨床背景と、セルフケア・生活習慣・精神的問題について調査し、CVEとこれらの関連について検討した。 【方法】2009-2015年に先天性心疾患外来を受診したTOF患者106例(30±11歳、男43)の診療録を後方視的に調査し、修復術年齢が10歳未満かつ直近のCVEが20歳以上の22例を解析対象とした。CVEは治療を要する心不全、不整脈、脳血管疾患、心内膜炎等の重症感染症とした。セルフケアとしては、怠薬;診療からのDrop out;治療拒否、 生活習慣としては、飲酒;喫煙;歯科的問題、精神的問題は不眠;不安/鬱病;精神遅滞の9項目とした。【結果・考察】3160人・年の調査の結果、TOF患者106例では、46例71件(1-4件/例)のCVEを認めた。解析対象者22例では、53件(1-4件/例)のCVEを認めその内訳は、1回:12例(右心不全12件)、2回:4例(右心不全3件,左心不全1件, 両心不全2件, 不整脈1件,心内膜炎1件)、3回: 5例(右心不全7件,両心不全1件, 不整脈7件,大動脈拡張症1件)、4回: 1例(右心不全1件,不整脈3件)であった。CVE単回群12例では(怠薬1件;治療拒否1件、飲酒5件;歯科的問題6件、不眠4件;不安/鬱病3件;精神遅滞2件),CVE反復群10例では(怠薬2件;診療からのDrop out5件;治療拒否2件、飲酒5件;喫煙3件;歯科的問題4件、不眠3件;不安/鬱病4件;精神遅滞3件)であった。CVE反復群は単回群に比べて有意にセルフケア・生活習慣・精神的問題の個数が多かった(3.1±1.6 vs. 1.7±1.3個, p<0.05)。【結論】CVE反復群は単回群に比べて有意にセルフケア・生活習慣・精神的問題が多かった。日常生活などへの支援の必要性が示唆された。