The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Free Paper Oral

成人先天性心疾患

Free Paper Oral 22 (I-OR22)

Fri. Jul 7, 2017 9:40 AM - 10:30 AM ROOM 7 (Seminar and Exchange Center, 2F The Music Studio Hall)

Chair:Yoshie Ochiai(Department of Cardiovascular Surgery,JCHO Kyushu Hospital )

9:40 AM - 10:30 AM

[I-OR22-05] 成人先天性心疾患に合併した不整脈に対する外科治療成績

町田 大輔, 磯松 幸尚, 鈴木 伸一, 郷田 素彦, 富永 訓央, 藪 直人, 益田 宗孝 (横浜市立大学附属病院 心臓血管外科)

Keywords:成人先天性心疾患, 不整脈, 外科治療

【背景・目的】成人先天性心疾患(ACHD)患者の不整脈合併率は高く、また不整脈は患者の予後・QOLに大きく関与する。当院におけるACHDに合併した不整脈に対する外科治療の成績を検討した。【方法】2000年7月から2016年12月までに当院で18歳以上のACHD患者に対して行った心臓手術157例につき、不整脈の観点から治療成績を後方視的に検討した。【結果】157例のうち術前に不整脈(期外収縮や1度房室ブロックを除く)を指摘された例は49例(31%)であった。不整脈の内訳は延べでAfが27例(慢性7例、発作性20例)、AFLが7例、AT/PSVTが14例、VTが6例、2度以上のAVブロックが4例であった。初回手術例は23例、再手術例が26例であり期間中に3例が再手術を行った。疾患は上室性不整脈でASD、partial AVSD術後、Fontan術後が多く、心室性不整脈はTOF術後に多かった。術前に心臓電気生理学的検査を行ったのは14例でカテーテルアブレーションを12例(AFL5、AT/PSVT5、VT1)に行った。不整脈に対する外科治療は49例中31例に加え、術前不整脈指摘のないTOF術後(またはそれに準ずる)再RVOTRの5例で行った。MAZE(Cox3に準ずる)が11例、右側MAZEが12例、右峡部ブロックが5例、VTアブレーションが9例、PM植え込み1例であった。手術時年齢は48(18~70)歳。5.8(0.2~13.2)年の観察期間において、不整脈の再発は慢性Afを4例(3か月以内の早期再発2例)、新たなAT出現を3例に認め2例にカテーテルアブレーションを施行。徐脈に対しPM植え込みを2例に行った(不整脈再治療回避率5年:78%)。不整脈手術例では遠隔期死亡(非心臓死)を1例認めるのみであった。術後不整脈再発のリスク因子を検討したが、統計学的に有意なものは指摘できなかった。【結語】ACHDに合併する不整脈は頻度が高く、治療を要するものが多かった。外科的不整脈治療の成績は概ね良好だが再発率は低くなく継続的な観察と治療が必要である。