第53回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般口演

カテーテル治療

一般口演 23 (I-OR23)
カテーテル治療 1

2017年7月7日(金) 13:45 〜 14:45 第7会場 (2F 研修交流センター 音楽工房ホール)

座長:杉山 央(東京女子医科大学 循環器小児科)

13:45 〜 14:45

[I-OR23-01] ADO症例からみたPDAの血管特性と年齢の関係

阿部 忠朗1, 塚野 真也1, 小澤 淳一1, 佐藤 誠一2 (1.新潟市民病院 小児科, 2.沖縄県立南部医療センター・こども医療センター小児循環器内科)

キーワード:PDA, ADO, 伸展性

【背景・目的】造影でのPDA形態から選択したADOが過小でありサイズアップを要した乳児例を経験した。若年ほどPDAは伸展し易いという仮定のもと、PDAの血管特性と年齢との関係を検討した。【対象・方法】2011年4月から2016年10月に当院でADOを施行した51例のうち、type Dの1例、ligation後3例、計測困難9例を除く38例 (男38%、中央年齢3歳(7ヵ月-64歳)、type A/E 34/4例)を対象とした。ADO留置前のPDA造影から拡張末期PA側PDA径 (Dd)、収縮末期PA側PDA径 (Ds)を計測し、カテのdAo圧から、Stiffness Index (SI)=log {収縮期dAo圧 (Ps)-拡張期dAo圧 (Pd)}/{(Ds-Dd)/Dd}、Compliance (Com)={(Ds-Dd)/Dd}/(Ps-Pd)を算出した。また、ADO留置後のPA側PDA部位のデバイス径 (Da)からPDA拡大率 (ER)=(Da-Dd)/Ddを算出した。SI、Com、ERと年齢、Qp/Qs、体格との関係について単回帰分析で検討した。【結果】結果を中央値 (範囲)として、SIは3.1 (0.94-12.4)、Comは5.5×103 (1.2×103-16×103)、ERは0.72 (0-1.6)、Qp/Qsは1.4 (1-4.0)、身長は96 (66-173)cm、体重は15 (6.7-67)kgであった。SI、Com、ERはいずれも年齢と相関し、若年ほどSIは低く (p<0.001、r=0.61)、Comは高く (p=0.04、r=0.34)、ERは高い (p<0.001、r=0.55)傾向があった。またERは身長が低いほど (p<0.001、r=0.55)、体重が軽いほど (p<0.001、r=0.56)高い傾向があった。ただし、30歳以上の3例を除くとSI、Com、ERと年齢との相関はなくなった。【結語】全年齢層では若年層ほどPDAは伸展し易いが、若年層に限ると伸展性と年齢に関連はなかった。