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[I-OR26-01] 過去30年間の学校管理下における川崎病既往者の突然死
Keywords:川崎病, 突然死, 学校
【背景】日本の就学小児に川崎病既往者は多く、重症後遺症合併例では心事故発症の不安もあり、これまでの実態について情報提供することは有益と思われる。【方法】日本スポーツ振興センター研究認可を得て、1984年から2013年の30年間に同センターの学校災害共済制度に報告された事故報告書のうち、突然死例の心電図、健康診断書、死亡診断書、剖検所見を含むすべての報告書を確認し、川崎病の既往があったことが記載された例を対象とした。【結果】この期間の1768例の心臓系突然死事例中、14例(0.79%)に川崎病の既往の記載があった。学年は小学校3年から高校3年までで、12例が男児であった。1999年以前の突然死1299例中11例(0.85%)、2000年以降は469例中3例(0.64%)であった。13例が運動中に発症し、1例は冠動脈バイパス手術後の例で椅子に座っていて発症した。11例では冠動脈障害の存在と一部の例で心筋梗塞の診断が記載されていた。しかし、3例では冠動脈障害という記載はなく、1例では急性心不全と診断されており、2例では剖検後に不整脈と記載されていた。この3例では運動制限はされていなかった。他の11例中8例では競争的な強い運動を制限するよう記載が見られた。突然死事例以外から調べた限りでは、川崎病の既往者が心停止を起こして蘇生に成功したという記載がある事例はなかった。【結論】1999年以前は、川崎病既往のある児童生徒に対して、運動制限が厳密に実施されていなかった可能性がある。川崎病の冠動脈障害が減少し、心筋梗塞による児童生徒の突然死の頻度は2000年以降に減少した。一方で川崎病との関連は不確定であるが、致死的不整脈で院外心停止を起こしたと思われる例が少数報告されており注意を要する。