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[I-OR26-04] 川崎病冠動脈後遺症リスク要因 ー最近4年の35例の検討からー
キーワード:川崎病, 後遺症, リスク
【背景】川崎病はリスク層別化や治療法の工夫がされているが、未だ冠動脈病変(CAL)を生じる患者が存在する。【目的】CAL後遺症のリスク要因を検討する。【方法】2012年から2016年に当院及び関連7施設において、発症1ヶ月時にCAL(z-score>2)を認めた例について後方視的に検討する。【結果】同期間の川崎病患者1408例のうち、発症1ヶ月時にCALを認めたのは35例(2.5%)であった。男児23例、女児12例、0歳が12例、1歳が7例、6歳以上が5例。CALは4mm未満が13例、4-8mmが20例、8mm以上の巨大瘤が2例であった。群馬スコア5点以上か久留米スコア3点以上の高リスクスコアを18例(51%)に認めた。診断時にCALを認めていたのは19例(54%)で、24例(69%)で10病日までに出現した。7病日以降に川崎病と診断されたのは9例で、うち8例は診断時にCALを認めていた。初回治療は、ASA3例、ASA+IVIG20例、IVIG+PSL7例、IVIG+PSL+urinastatinが5例で、追加治療を要したのはそれぞれ、2/3例、13/20例、3/7例、1/5例だった。【考察】31例(89%)で、高リスクスコア、診断時CAL、7病日以降に診断、IVIG不応のいずれかを認め、CAL後遺症のリスク因子と考えた。いずれも認めなかった4例のうち3例(6ヶ月、10ヶ月、1歳)は、ASAかIVIGの治療を行い、退院後25病日前後に再燃した。巨大冠動脈瘤の2例は、いずれもIVIG+PSL2mg/kgの治療中に40度を超える発熱を認め追加治療を行った。【結論】従来報告されている要因に加え、診断時CAL、7病日以降に診断された例も、CAL後遺症のリスクがあり、治療の強化が必要と考えた。PSL2mg/kg投与中に高熱を認める例は最重症と考え、直ちにより強力な治療を行うことが重要と思われた。