The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Free Paper Oral

川崎病・冠動脈・血管

Free Paper Oral 26 (I-OR26)

Fri. Jul 7, 2017 4:55 PM - 5:55 PM ROOM 7 (Seminar and Exchange Center, 2F The Music Studio Hall)

Chair:Masahiro Ishii(Department of Pediatrics, Kitasato University)

4:55 PM - 5:55 PM

[I-OR26-06] 川崎病急性期のIVIG不応予測における好中球/リンパ球比、血小板/リンパ球比の有用性:他のリスクスコアとの比較

川村 陽一1, 竹下 誠一郎2, 金井 貴志1, 辻田 由喜1, 吉田 裕輔1, 野々山 恵章1 (1.防衛医科大学校 小児科, 2.防衛医科大学校 看護学科)

Keywords:川崎病, NLR, PLR

【緒言】近年、好中球/リンパ球比(NLR)および血小板/リンパ球比(PLR)が心血管疾患や悪性疾患の長期予後や合併症予測に有用であることが報告されている。我々は昨年、NLR≧3.83かつPLR≧150が川崎病(KD)急性期における免疫グロブリン(IVIG)不応予測に有用であることを報告した(J. Pediatr. 2016;178:281-4)。【目的】我々の報告したKD急性期のリスクスコアと既報告のリスクスコアのIVIG不応予測精度を比較検討する。【対象と方法】KDの診断で当院に入院した437例(反応例344例、抵抗例93例)の治療開始前の検査所見等を用いて、既存のリスクスコア(群馬、久留米、大阪)と新たなスコア(NLR≧3.83かつPLR≧150、以下「新スコア」と表記)におけるIVIG不応性の予測精度を統計学的に比較した。【結果】新スコアと群馬スコアは高い感度(それぞれ0.72、0.70)および高い特異度(それぞれ0.67、0.68)を示した。一方、久留米スコアおよび大阪スコアは高い特異度(それぞれ0.71、0.81)を示したものの、相対的に低い感度(それぞれ0.56、0.45)となった。新スコア、群馬、久留米、大阪スコアのオッズ比(OR)は、それぞれ5.43、4.87、3.14、3.53であった。【考察】我々の提唱した新スコアは、従来のIVIG不応予測のリスクスコアと比較しても同等もしくはそれ以上の予測精度を有すると考えられる。既報告のリスクスコアは血液検査結果に加えて発症時の月齢や診断病日を考慮する必要があるが、新スコアは血算のみで算出可能であるため非常に簡便である。ただ今回は一施設による検討結果であるため、今後は多施設共同研究によってNLRとPLRの有効性を検討する予定である。【結語】NLRとPLRを組み合わせることによって、KDのIVIG不応を予測する簡便かつ有効なスコアとなりうる。