第53回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスター

染色体異常・遺伝子異常

ポスター (I-P01)
染色体異常・遺伝子異常 1

2017年7月7日(金) 18:00 〜 19:00 ポスターエリア (1F 展示イベントホール)

座長:安田 和志(あいち小児保健医療総合センター 循環器科)

18:00 〜 19:00

[I-P01-06] 最近9年間に当施設に入院した先天性心疾患を有する21トリソミーの検討

宗村 純平, 古川 央樹, 星野 真介 (滋賀医科大学 小児科学講座)

キーワード:21トリソミー, 先天性心疾患, 合併症

【目的】 過去9年間に当院に入院した先天性心疾患を合併した21トリソミー症例をまとめ、同疾患群の予後について検討する。【方法】2006年4月から2016年12月までに乳児期に当院に入院し、心不全、低酸素血症などを伴い治療介入が必要と思われる先天性心疾患を有する21トリソミー20例について後方視的に検討を行った。追跡が不能であった1例を除く19例について後方視的に検討を行った。【成績】平均出生時体重は2482gであった。平均在胎週数は36週5日であった。心疾患の内訳は心室中隔欠損 (以下VSD)+心房中隔欠損 (以下ASD) 5例、動脈管開存症 (以下PDA)2例、ASD+PDA 1例 Fallot四徴症 (以下TOF)2例、房室中隔欠損 (以下AVSD)6例、TOF+AVSD 2例、両大血管右室起始症 1例であった。2心修復が可能と考えられた18症例のうち根治に至った症例は16例で、死亡例は2例 (生後4か月、鎖肛合併のTOF+AVSD typeCと生後2か月のTOF+AVSD typeC)であった。Fontan適応と考えられたAVSD (type C)+hypo RVの1例は生後24か月時にグレン術後に縦隔炎、肺動脈瘤にて死亡した。術後認められた合併症は腸管穿孔 1例、心嚢液貯留 1例、縦隔炎2例、感染性心内膜炎1例であった。心疾患以外の先天奇形を合併していた症例は3例 (鎖肛、十二指腸閉鎖、気管軟化症)であった。この3症例は心外合併奇形に対し手術が完遂されたが、鎖肛合併の1例は自宅にて突然死した。なお死亡例の3例はすべてAVSD typeCを合併していた。【結論】21トリソミーは様々な合併奇形を生じるため、管理に難渋することが多い。また術後も腸管穿孔、感染性心内膜炎等を合併する頻度が高く注意が必要である。AVSD typeCの房室弁逆流は比較的軽度であることはよく経験するが、本検討ではAVSD (typeC)を有した5例中3例が死亡しており、必ずしも予後良好とは言えなかった。