The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Poster

胎児心臓病学

Poster (I-P02)

Fri. Jul 7, 2017 6:00 PM - 7:00 PM Poster Presentation Area (Exhibition and Event Hall)

Chair:Mio Taketazu(Hokkaido Ryoikuen)

6:00 PM - 7:00 PM

[I-P02-01] 当院で大動脈縮窄症と胎児診断した心エコー所見の検討

水野 将徳1, 都築 慶光1, 水主川 純2, 長田 洋資1, 升森 智香子1, 中野 茉莉絵1, 桜井 研三1, 後藤 建次郎1, 麻生 健太郎1 (1.聖マリアンナ医科大学 小児科, 2.聖マリアンナ医科大学 産婦人科)

Keywords:大動脈縮窄症, 胎児, 心エコー

【背景】 大動脈縮窄症(CoA)は診断、治療の遅れにより重篤な状態に陥る可能性があるため、胎児診断が重要であるが診断率は未だ低い。【目的】CoAと胎児診断した症例のエコー所見から診断精度を高める方法を検討する。【方法】 2013~16年に当院でCoAと胎児診断した13例のエコー所見を後方視的に検討。【結果】対象とした13例(男:女 8:5)のうち出生後CoAと診断されたのは6例、診断率は46.2%であった。初診時妊娠週数中央値32週(8~37週)、診断時妊娠週数中央値33週(30~38)、診断時心胸郭断面積比中央値 28%(19~40%)、4 chamber view における心室径比(LV/RV比)中央値0.66(0.33~0.87)、3 vessel viewにおける大血管比(Ao/PA比)中央値 0.59 (0.36~0.91)、上行大動脈径中央値4.1mm(3.4~5.0m)、大動脈峡部中央値 2.0mm (1.4~2.9mm)、下行大動脈径中央値 4.7mm(3.2~7.8mm)、在胎週数中央値 37週(31~40週)、出生体重中央値 2152g(1074~4014g)、染色体異常1例(Down症)、合併心奇形は二尖大動脈弁2例、僧房弁狭窄1例、左室低形成を伴う両大血管右起始2例であった。紹介症例が12例で、その初診時妊娠週数中央値は32週(28~37週)、心疾患疑いで紹介されたものは5例であった。CoA症例は6例中4例が大動脈峡部径2.0mm未満であり、5例がLV/RV比 0.7未満であった。出生体重1500g未満の児はいずれも出生後CoAと診断されず、LV/RV比が0.7以上であった。研究期間内に出生後初めてCoAと診断された症例は認めなかった。【考察】 当院のCoAにおける胎児診断成績は諸家の報告よりやや良好で、見逃し症例も認めなかった。体格が小さな児ほど大動脈弓の形態からの診断は困難であり、LV/RV比を用いた方が有効な可能性がある。