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[I-P02-03] 胎児期より管理したEbstein奇形の治療経過
キーワード:Ebstein奇形, 胎児診断, 治療成績
【背景】Ebstein奇形は予後不良疾患群の一つであるが、その重症度は幅広く、治療経過も様々であり、施設毎でも治療戦略は異なる【目的・対象】2007~2016年の10年間で、胎児期より管理、治療を行ったEbstein奇形12例を、新生児期手術前に死亡:D群、新生児期乳児期早期に手術を受けた:O群、内科的治療のみで経過観察:N群に分け、後方視的に検討した【結果】<症例数>D群2(胎児死亡なし)、O群8、N群2<胎児水腫>D群1、O群2<CTAR>D群0.66~0.69、O群0.49~0.73、N群0.44~0.61<CelermajorIndex>D群1.22~1.75、O群0.72~1.44、N群0.58~0.60<circular shunt>D群1<胎児期不整脈>D群1、O群2(母体ジゴシン投与1)<週数>35週1日~39週1日、O群32週2日~38週3日、N群39週3日~40週3日<出生体重>D群2628~3206g、O群2020~2968g、N群2494~3464g<帝王切開>D群1、O群7<出生時CTR>86%、O群80~100%、N群70%<true pulmonary atresia>D群1、O群6<出生後TRPG>D群46mmHg、O群10~64mmHg、N群50~56mmHg<合併症>D群TAM1、O群上室性頻拍3,心筋石灰化1<21trisomy>D群1、O群2<経過観察期間>D群0~27日、O群42日~8年3か月、N群3年3か月~4年<O群初回手術介入時期>7~92日(中央値14日)<転帰>D群死亡2(生直後死亡1)、O群死亡2(BVR後),BVR3,TCPC1,1+1/2repair1,BTS1、N群死亡0【考察・結語】D群O群とN群を比較すると、N群の方が、CTAR、Celermajor Index、出生後CTRは低値の傾向であった。当院では、重症度に関係なく、出生直後より肺血管抵抗を低下させる治療を積極的に行い、肺動脈弁閉鎖であっても出生後のTRPG≧30mmHgであれば積極的にBVRの方針としている。ただし、胎児期よりTRPG<30mmHgで、出生後も変化なくTCPC candidateとなる症例も存在していた。重症度が多岐にわたる疾患群ではあるが、胎児心エコーをもとに新生児期から積極的治療に取り組んでいる。