18:00 〜 19:00
[I-P02-05] Shone's complexと胎児診断された3症例
キーワード:Shone’s complex, 胎児診断, 僧帽弁狭窄
【背景】Shone's complexの胎児診断と新生児期の経過に関する報告は少ない。【目的】当院において胎児エコーでShone's complexが疑われた症例の出生後経過について検討すること。【方法】当施設において2015年2月-2016年12月にShone's complexと胎児診断された3症例(明らかな左心低形成症候群は除外)を、出生前後の超音波所見の変化に注目して後方視的に報告する。【結果】3例の心室形態は左室拡張末期径(LVDd)/右室拡張末期径(RVDd)=0.18~0.66、左室長径(LV length)/右室長径(RV length)=0.74~0.94と著明な左室低形成を認めた。僧帽弁径/三尖弁径=0.43-0.52と僧帽弁の低形成を認め、形態的に症例1・2はパラシュート僧帽弁、症例3がdouble orificeであった。3例は広義のShone's complex:僧帽弁狭窄+左室低形成+大動脈縮窄(CoA)に合致し、出生後に二心室循環成立が不安視されていた。このうち症例1は卵円孔早期閉鎖を認め、生直後より僧帽弁通過血流が加速した。症例2はhypoplastic aortic arch・small VSDを合併した。3症例はいずれも正期産で仮死なく出生。症例1は出生後のエコー所見で二心室循環が成立すると考え、プロスタグランジン(PGE)を用いずに経過観察した。症例2は当初PGEを用いて経過観察したが徐々にPDAが狭小化し、二心室循環の成立を確認したが、その後Arch repairを要した。症例3も出生直後よりPGEを用いて管理し、日齢14にCoA repairの術中に動脈管の試験閉鎖を行い、2心室循環の成立を確認した後に動脈管を結紮した。【考察】胎児期に左心系が著明に低形成で、形態異常を伴う僧帽弁狭窄を有する症例においても、二心室循環が成立し、症例によってはCoAが改善する場合もある。