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[I-P02-06] 動脈管早期閉鎖・狭窄と診断した2症例
Keywords:動脈管早期閉鎖, 不整脈, 心不全
【はじめに】動脈管早期閉鎖・狭窄は肺高血圧、右心不全、新生児死亡の原因で、重度は症例によって様々である。動脈管早期閉鎖・狭窄の2例を経験したので報告する。【症例1】在胎40週2日定期健診で異常なし。在胎40週3日陣痛あり前医受診し胎児不整脈を指摘され当院搬送。帝王切開で出生しApgar score1分7点5分8点、出生体重3754gであった。全身の浮腫は無く心電図で心拍200bpmの2:1AFLと診断した。ジゴキシンで心拍コントロールを行い4:1となり、その後にsinusに復帰。出生直後の心臓超音波検査では右室心筋は肥大し動きは不良で、動脈管は閉鎖していた。出生半日後より胆汁性嘔吐が出現したが、嘔吐は徐々に改善しAFLの再発無く日齢9に退院。【症例2】妊娠39週0日に右室機能不全を指摘され紹介受診。胎児超音波検査では心臓の構造は正常で胎児水腫を認めず、CTAR27.5%、心横径45.7mm、三尖弁径12.4mm、三尖弁逆流moderateであった。右室の動きは不良で右室拡大あり、動脈管はtrivial shuntと閉鎖傾向であった。帝王切開で出生し中枢性チアノーゼを認めたが酸素投与で回復した。Apgar score1分8点5分9点、出生体重3354gであった。出生後の酸素投与下での心臓超音波検査ではLVEF60.8%、右室壁は肥厚し動きは不良であった。三尖弁径は14.6mm、右心室横径は16.2mm、TAPSEは3.2mmで三尖弁閉鎖不全症はtrivialまで改善、RVp35.1mmと重度のPHは認めなかった。動脈管はtrivialで出生から1時間後には閉鎖を確認した。BNPは4272pg/mlと高値であったが重症感はなかった。日齢1に酸素を中止、日齢5のBNPは144 pg/mlと改善し日齢7に退院。【結語】動脈管早期閉鎖・狭窄の2例を経験した。症例1は発見された契機が不整脈であり胎児不整脈の原因となると考えた。2症例目は胎児期より観察し得たため出生後も詳細に評価する事が出来た。ともに右心肥大や右室機能の低下を認めたが肺高血圧も軽度で酸素や自然経過で改善した。